美少女と生理 ページ10
(高1の頃)
「死ね、俺以外全員死ね、世界滅べ、あーいや弟妹は死ぬな」
「憎悪沸きまくりのAさん、如何お過ごし？」
「本気で今お前に三万回くらい爆裂してほしい」
「殺意たっっっっか」
椅子を回転させて俺の顔を覗き込んでくるタルに思いっきり蹴りを食らわせたい気分。
しか〜し、今の俺は世界の全部が憎くなる程腹と腰と頭が痛い。蹴る気力も体力もない。
要するに、あれだ、生理というやつだ。
「ふう゛ぅぅん…しかも次物理とかもうこの世界滅べばいい」
「体育じゃないだけマシじゃない？」
「生理中の座学の辛さを舐めるなよてめぇのキンタマ握りつぶすぞ」
「言葉が汚いよA」
「お姫様はいつにも増してご機嫌斜めなこって」
購買から戻ってきたであろう二人が俺の隣に座った。
ガイアはジュース飲みながら俺をおちょくるだけだけど、ディルックは俺の肩に上着をかけてくれた。惚れそう。
「痛いとかだるいとかよく聞くけど実際どの程度辛いの？」
「…個人差はあるけど、俺の場合は頭痛腰痛腹痛のフルボッコに大体140mL血が出る」
「イメージしにくいな…」
「じゃあ考えてみ？俺の頭から140�亰譴�垂れてみろ、お前ら救急車案件だろ」
「ちょっと俺救急車呼んでくるね」
「ガチで呼ぶなステイ！！」
「立つな！！」
「ガイア？！ちょ、ディルックくそあいつ魂抜けてやがる！！」
俺を必死に座らせようとしてくるガイアをいなしながら、タルタリヤの服の袖を掴んで救急要請を阻止する。
もう本当に俺の例えが悪かった、認めるから落ち着いてくれ頼む！！
「っ、う…ぃたい…」
突如襲う腹と腰に広がる鈍痛、思わず息を吐いて痛みを零してしまった。
くっそ痛いって言ったらもっと痛くなるんだからな！！知らんけど！！
ぴたりと止まった二人を不審がっていると、体が宙に浮いた。
も う ど う に で も な れ こ の 野 郎
「先生Aが！！」
「先生ベット使うから！！」
「カイロと湯たんぽとお茶ありますか！！」
「喧しいなこいつら」
「ほんとごめんシグウィン、リオセスリ…」
保健の先生がいないのに先生！！と騒ぐ三人をリオセスリが追い出し、俺はゆっくりとシグウィンに見て貰えた。
シグウィンが保健委員でよかった〜、助かる。
結局あいつらが俺の所に来たのは、リオセスリに入れて貰ったお茶が3杯目に到達する頃だった。
ごめんって。俺が悪かったって。だからそんな世界の終わりみたいな顔すんなって。
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作者名：光 | 作成日時：2024年1月22日 22時
