美少女と日常 ページ31
タルタリヤside
「A腕相撲しようぜ！」
「Aちゃん私とツーショ撮って！」
「あいあい〜、俺影分身はできねぇですよ〜」
休み時間になった瞬間Aの席に集まるクラスメイト、そしてそれに楽しそうに答えるA。
大抵顔のいい人って言うのは、最初こそ顔で中身を決められる事がある。
ところがどっこい、Aは持ち前の男勝りな腕っぷし、それから男女受けのいい性格を持ってクラスの中心人物となった。
女子はマスコットの様に、男子は単なる男友達の様にAに接する。
顔に見合わない性格に最初は皆驚いていたけど、やっぱり頭いい学校はそれ相応の対応ができる訳で。
「いぇーい小野ちゃんぴーす！」
「きゃー！Aちゃんもう一枚！」
「A今連勝中の俺に果たして勝てるかな？！」
「よっしゃ坂口フルボッコだドンにしてやるドン！！」
今はこのクラスにAをただの美少女として接してる人間なんて一人もいない。
そしてその事実に、Aは心底心地よさそうにそれを享受してる。
「やっぱり人気ね、A」
「千織さん。A小学校から一人になった事ないんだよ」
「あの性格と顔だもの、誰だって放っておきやしないでしょう」
ふふ、と微笑を浮かべて隣に座る千織さんもAの中学からの友達。
千織さんや俺だけじゃない、存外記憶のあるテイワットの人間はAを特別視してる。
「昔はただの補佐官兼本書きだったのに」
「外交はあの子がいれば上手くいってたって言ってたじゃない、好かれやすいのよ」
「あはは！確かにそうだ」
Aは上手すぎる人心掌握と状況把握能力を用いて、最高のタイミングでその人のして欲しい事をする。
補佐官の経験と持ち前の頭の良さで、このクラスも、何なら今までの学級全てを纏め上げてきた。
「流石天才級の美少女、ってやつじゃないか」
「一年でも人気らしいわね。ま、誰も中身がこれだなんて気づきもしないでしょ」
「おーいタル！千織！こっちで写真撮ろうぜ！坂口負かした記念！」
「ただ俺が傷つけられる為だけのイベじゃん？！人の心は？！」
「ママの胎盤に置いてきたった！」
坂口の腕をひっつかみ嬉しそうに手招きするA、周りはクラスメイトでいっぱいだ。
まぁとにかくAが好かれてる一番の理由は何回も言うけど、
「あとで俺とも勝負しよーね」
「全く、しょうがないわね」
A自身の人柄の良さだって話！
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作者名：光 | 作成日時：2024年1月22日 22時
