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「ねぇ千織パイセン、これは？」
「Aは黒は似合わないわ、あと無い胸を強調するビキニはなしね」
「Bはある」
「ないわね、サイズ測り直してきなさい」
「ひでぇ」
修学旅行の予定の中に海での自由行動が組み込まれてた、らしい。
しおりとか見てないです、いつあるかだけ把握してればどうにかなる…信じてる！
千織パイセンとは別班になっちゃったけど水着を選んでくれてる。やったね！
「Aにはオフショルダーのワンピースをおすすめするわ」
「ほう？」
「保護者達の許可も出る筈よ、そうでしょう？」
げんなりした顔で千織パイセンが振り向くと、そこにはしぶい顔をしたタルと空と蛍。
空と蛍は夏服を探す名目で連れてきた、だけどタルお前は呼んでないんだ。
「何お前らその顔」
「…ビキニよりマシだけどオフショルってどうなの」
「せめて長袖にしない？」
「いっそ全身ラッシュガードでもいいと思う」
「別にいいけど俺美少女だからなんでも似合うよ」
「あ〜〜〜〜、そうだった〜〜〜〜」
「貴方達愉快過ぎるわ」
俺の顔面がいいのは周知の事実じゃないですかやだ〜。
そんなに俺のこの真っ白な雪肌が晒されるのが嫌かね弟妹達よ、海なんて肌晒してなんぼじゃないの？？
タル達メンズに関しては上裸じゃん、つべこべ言うな。
「じゃあ当日タルがラッシュガード貸してくれればよくね？どうせお前は上着脱ぎ捨てるじゃん」
「オフショルダ―をやめるって選択肢は…」
「千織パイセンが選んだものが俺に似合わない訳ないから却下」
「ですよね〜」
荷物かさむから俺は持っていかない、文句言う奴が持ってこい！ふん！！
決定〜！と喜んでいる俺の両脇に弟妹がスッと寄って来た、なんだなんだ。
「変な虫引っ付けて帰ってこないでね？？ただでさえ虫が多いんだから」
「GPS絶対オンにしてね？朝と夜は電話必須だから」
「ボイスレコーダーもうちょっと買い足そうよお兄ちゃん」
「確かに。公子、ぜっっっったい姉さんに手出すなよ」
「前世からの幼馴染に手出すほど飢えてないよ…」
「は？？お姉ちゃんに魅力がないって言いたいの？？」
「もうやだこの兄妹」
「この場合は愛されてるって喜ぶべき？それとも怖がるべき？」
「何これ怖い話か何か？」
令和版怖い話か何かかな？千織パイセンドン引きしてるんだけど。
「千織お姉さんただいま〜、ってどうしたのこの雰囲気」
「綺良々…お前まじでそのままでいてね」
「んにゃ？？？」
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作者名：光 | 作成日時：2024年1月22日 22時
