美少女と前世 ページ15
「ほらA、ご挨拶なさい。すみません人見知りで…」
「いえいえ、ほらアヤックスも挨拶しなさい」
母親に押されるがままに隣の家の子だという奴の前に出される。
俺の名誉のために言おう、俺は断じて人見知りではない。
今割とでかい飴を食べているから喋れないだけだ、言いがかりしないでくれ母よ。
「アヤックスです…」
「…ひょ、ひょっほふぁって」
「え？？？」
バキゴリボリボリ…すっげえ音するなこの飴道理で全然溶けねぇんだ。
目を点にして俺を見つめるアヤックスとやら、すまんな。
「…よし。えーっと俺はA、多分俺のほうが年上」
「A？」
「うーん苗字からとかじゃねぇんだ…呼び捨てなんや…」
「Aってもしかして喧しい子？」
「おってめやんのか？？？」
そばかすのきゃわな子だな〜とか思ってたら凄い言葉飛んでくるキレそう。
「ほら！親達喋ってるし、しょーがないから遊んでやる」
「たかが数個上だからって威張られても…」
「確認だけど俺達初対面だよな？？5分前に顔合わせたばっかだよな？？」
もうやだ距離の詰め方どうなってんだってばよ…。
「Aは何ができるの？俺釣りとか喧嘩とかしたい」
「うーん俺はお前の将来が心配」
「大丈夫おふくろ達を泣かせたりはしない」
「ちゃんと親思いだったなんかごめん」
いやでも喧嘩はよくない、証拠が残ったらどうするんだ。
「喧嘩は無理だし釣具も父親が持ってってるから…あ、ナイフならある」
「警察呼ぶ？」
「やめろやめろ！違うって、ナイフ投げって遊びがあるの」
「誰が喜ぶの？？」
「最近生まれた妹は手叩いて喜んでくれる」
「その妹の行く先が心配」
「俺の妹をばかにするんか！！！」
「こいつめんどくさ」
ポンチョからナイフを数本出してやればすっごい引き気味に受け取ってくれた、そんな顔すんなって。
石で木に的を書いてやれば、アヤックスは急に年下ぶり始めた。
「俺年下だから先にやっていいよね？」
「こいつ…まぁいいよ、先に15点取ったやつの勝ちな」
「これでA負けたら中々恥ずかしいね」
「お前の顔面に当てたら100点にしようか」
「こっっっわ」
多分目瞑ってても今の殺意で当てられる自信がある。
ビュン、とアヤックスが投げたナイフは円の少し外を掠めた。
「ほーん…えいやまってくれ初めてにしては上手くね？？」
「次はAだよ」
「すっっごいいい笑顔…絶対負かすからなこのクソガキ」
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作者名：光 | 作成日時：2024年1月22日 22時
