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入り口に隠れていた綾人、タル、トーマ、千織、それから何故か弟妹。
一気に青ざめてたじろぐ集団を尻目に弟妹に抱きつく。は〜俺の癒やし、まじ天使。
「今までの時間このハグで許せる、蛍今日も可愛いね」
「ありがと！朝も5回位言われたけどね」
「俺にはないの？」
「お前はいいや、ゴツゴツしてるから」
「酷い」
まるで何事もなかったかの様に喋る俺達に悔しげな顔を浮かべたリーダー格の子は、突然綾人に縋り付いた。
今までに見た事ない位変な顔してる、おもろ。
「綾人様…！わ、私この人に蹴られて…凄く痛くてっ！」
「若に触らないでくれる？」
そしてその手をパシッと振り払うトーマ、流石前世からのお付き、仕事が早いね。
虚言吐いて振り払われて発狂寸前の女子に俺を抱きしめたままの蛍と空がとどめを刺した。
「貴方達も理解してる通りお姉ちゃんは超美人な訳、勿論危険な目に合わない様に録音機類を持たせてる」
「例えば…これとかね」
そう言って空は慣れた手つきで俺の片方の髪を解いてリボンに付いていた小型の録音機を見せた。
もう女子達ガタガタ震えてるじゃん、寒さ？それとも恐怖？？
「という訳でばっちり音声入ってるからね〜、後は提出するだけ」
「俺達の姉さんに手出したのが運の尽き、ついでに千織さんが動画も撮ってるし」
「えっ千織ナイス過ぎる」
「雰囲気壊さないで」
とうとう沈んでしまった集団の横目にトーマと綾人が職員室へ。俺は演技の準備を。
「ねぇこれ大丈夫？慰謝料請求しよっか」
「どうせ治るからなぁ…2人の小遣い程度に巻き上げるか」
「弱者には手を出さない主義だけど…本気で何人か殴っていい？」
「タルやめとけ、お前まで停学とか笑えん」
傷口に触れて悲しそうな顔をする弟妹たちを宥めながらけらけらと笑っていると廊下から上履きの音が。
一気に顔を歪めて、涙をぽろりと流して見せればかわいそうな俺の完成。
事情を聞いて飛び込んできた先生にその顔を見せればもう完璧、この為にわざわざ避けなかったんだから。
「ふぇぇん…怖かったですぅ…」
内心ほくそ笑みながら傷口を先生に確認させ、相手が100悪い事を証拠と共に認識させれば俺の仕事は終わり。
先生は集団を叱る為に残り、俺は保健室に行く事に。
ちょっと怒りが収まらないので集団の方によろけたふりをして耳打ちした。
この位許されるよ、だって俺は美少女だもん。
「やる相手くらい選べよばぁか♡」
美少女舐めんな。
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作者名：光 | 作成日時：2024年1月22日 22時
