赤とハロウィン ページ6
「ヒャッハー!!やっぱりハロウィンはイチゴ味の血糊だね!!!!」
「ねえ、昴さん。あれどうにかならないの?」
「ずっと落ち着かせようとはしているんですが、どうも高ぶっちゃうみたいでして…でも、血糊にイチゴ味なんてなかったと思うんですよね。」
世はハロウィンというイベントで、仮装をする人間達で埋まっていた。
かくいう私も赤い毒りんごを食べ、ついでに毒いちごと毒トマト、毒レッドカレーを食べて、死んでしまったどこかのお姫様のコスプレをして、沖矢昴氏のお宅に駆け込んだ。
その設定を隣の家にいた灰原哀ちゃんと阿笠博士氏に説明したところ、呆れ顔で飴ちゃんをくれた。
解せぬ。
どう知り合ったかなんて、説明する必要は無いだろう。普通に沖矢昴氏が紹介してきたのだ。
何故か沖矢昴氏のお宅に来ていたコナンくんは普段の服装で呆れ顔でガムをくれた。
これもやはり解せぬ。
「ねえねえコナンくん。なんで仮装してないの?」
「これからハロウィンパーティしに行くんだ、阿笠博士ん家で。だから仮装はまた後でするよ。」
「ねえ、コナンくん、血糊だらけにしようよ!」
「お姉さん、自重しようね」
あー、小学生に注意されたあ
ガクッと首を落とし、チラリと沖矢昴氏の方を見る。
気にする風でもなく、ソファに座って優雅にコーヒーを飲んでいる沖矢昴氏の肩をつつく。
「なんです?」
「沖矢昴氏は仮装しないんですか?」
「いい歳した大人がする事でもないでしょう。それに、私はお菓子を渡す方ですしね。」
まるで私だけ大人気ないふざけている大人みたいな扱いじゃないか!
いや、まあ現実はそうなんだけどね?
「ね、お姉さん。」
「なんだい、コナンくん。」
「お菓子作ったりしないの?」
「作る…けど…」
……うん、作るけどね……
「どうしても、手を切っちゃうんだ…包丁を持つ手が震えて…」
「え、お菓子作りに包丁なんて使う?」
「バターを切る時とかよく自分の血も混ざっちゃうんだよ…そんなもの食べたくないでしょ」
今まで握りこぶしを作って隠していた指先の絆創膏を見せると、ギョッとしたコナンくん。
「大丈夫!?かなり切っちゃってるじゃん!絆創膏に血が滲んでる!」
「えへへー、これ実はそういう仮装なんだー驚いたー?」
「……へ、へえ」
そうして誤魔化した私の背中を見つめる視線に気付かず、疑り深い視線にも気付かなかった。
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白亜(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます!頑張らせていただきます (2018年12月4日 19時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - このジン好きすぎる!笑 続き楽しみにしています! (2018年12月4日 11時) (レス) id: 8705ebf4fc (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - りずりさん» コメントありがとうございます!頑張りますw (2018年11月10日 15時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
りずり - 続きが楽しみです!頑張ってください(●・ω・●) (2018年11月10日 14時) (レス) id: f9e3d4f71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白亜 | 作成日時:2018年10月7日 10時