赤に刺激的な ページ37
「安室透氏…離れてください」
「んー、嫌です。」
安室透氏は首に顔をうずめ、スンスンと匂いを嗅いで…いや!嗅がないで!?
「くすぐったいです!やめてください!」
「じゃあ僕のこと、嫌いって言ってください。諦めますから。」
この人は何を言っているんだ!安室透氏が嫌なら即刻家を立ち去るし、料理も美味しいからできるだけ離れたくないし、ハロがいるのにこうやって抱きついてくる安室透氏が愛お……あれ。
いやいやいやいや、私はあの人しか…
「どうして言わないんですか…」
安室透氏の腕に力が入り、余計密着する。安室透氏が屈む形になるのに、辛くないのか…
そういえば、あの人も少し屈んで、私が背伸びしなくていいようにしてくれてたな。
「私は別に安室透氏のこと嫌いじゃないです。安室透氏の言いなりになるのは、あんな痴態を晒して、すみませんやっぱ無理でしたなんて言えないからです。これもその一環です。」
「なら、僕を慰めるのも貴女の役目?」
私と顔を見合わせて、捨てられた子犬みたいな眼差しでじっと私の目を見つめてきた。ここで嫌違いますなんて言ったら足元にいるハロに噛まれるんじゃないかな?まあそのハロは私と安室透氏の間を行き来しているんだがな。
「まあそうなりますね…なんでそんなに落ち込んでいるんですか?かなりぼんやりしていますよね」
そもそもこいつの顔はイケメンだ。そんなわけで、私の方から抱きしめ返す。今の顔を見られてみろ、恥ずかしいぞバカヤロ。只でさえイケメンなのに眉毛下げて、うるうるしてんだぞ。こいつ男かよ。
「んー…」
「いや、無理して言わなくていいです。どうせ私に話す気なんて毛頭無いでしょう。トマトで許します。」
「ああ、わかった。明日の夕食はトマトのフルコースで決定だな。デザートは苺か?」
「大好きです、安室透氏のご飯。」
「……そこは」
「ハロと赤と安室透氏のご飯以外要りません。」
「…飯にするか」
するりと私から離れると、名残惜しそうに私の髪を少し触った。
ふと、視界が暗くなり、チュッというリップ音と額に柔らかい感触がした。
「え」
安室透氏は何食わぬ顔で、ハロのお皿を用意し、カリカリを乗っける。
顔に熱が集中し、頭の中真っ白な私は放置され、あたふたしても安室透氏は知らんぷり。
「ハロ、ご飯だぞー」
「え、ちょ、あむ」
その後、不貞腐れた私は安室透氏のご飯により、即復活した。
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白亜(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます!頑張らせていただきます (2018年12月4日 19時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - このジン好きすぎる!笑 続き楽しみにしています! (2018年12月4日 11時) (レス) id: 8705ebf4fc (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - りずりさん» コメントありがとうございます!頑張りますw (2018年11月10日 15時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
りずり - 続きが楽しみです!頑張ってください(●・ω・●) (2018年11月10日 14時) (レス) id: f9e3d4f71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白亜 | 作成日時:2018年10月7日 10時