赤と条件 ページ4
「あなたの条件は、とても簡単なことじゃないですか」
「沖矢昴氏。」
紅茶の鏡を通して見える私の顔は不細工だった。
細かく言えば、上手く笑えていなかった。
もっと言えば、声のトーンも落ちていた。
「私の条件を快諾した理由がわかりかねます」
「〈私の話をしっかり聞いて下さい〉……簡単に言えばそんな感じだったでしょう。」
「厳密には〈聞いた上で、嫌ならば嫌と言ってください〉ですけどね。普通嫌がるはずなんです。」
小首を傾げる沖矢昴氏。
可愛くないって。
「そんなことないですよ？」
「はぁ…これだから大学院生は。」
「関係なくないですか？それ。」
やれやれと言ったように私が呆れ顔で彼を見ると、まだ首を傾げていた。だから可愛くねえって。
眉間にシワもよっている。気に障ったのかな。
カップに口をつけて、喉を潤した沖矢昴氏。
イケメンは何をしても様になるらしいな、こんちくしょうめ。
「聞いていて、飽きないですよ。赤に対する愛情はよく伝わってきます。」
「なら、いいんです。」
「気掛かりなことがあるなら遠慮なく言ってくれて構いませんよ。もう友人同士なんですから」
ゆうじん…
私が、沖矢昴氏と……お友達……
「レッドカレー食べに来てもいいんですか」
「ええ、連絡先を交換しておきましょう」
「はい！します！材料なら私が調達します！」
「任せましたよ、Aさん」
私の心は沖矢昴氏との良い関係を築けたことにより、どんより曇り空から快晴となった。
携帯を取り出し、電話番号とメールアドレスを用意してくれた紙にそれぞれ書き写し、交換した。
私が片手を差し出すと、沖矢昴氏も微笑んでから片手を出して、固く握手をした。
「ところで、沖矢昴氏」
「なんでしょう」
「ハイネック暑くないんですか？」
「いやー、この部屋少し肌寒いですよね」
「沖矢昴氏？今日の気温は27℃ですよ？」
「最近風邪気味でしてねー、ゲホッゴホッ」
「沖矢氏？」
「それよりイチゴジャムとブルーベリージャムは合わせて使うと……」
「それは一番やっちゃいけない行為です！！沖矢昴氏！！イチゴの純然たる赤さを毒のような色をしたブルーベリージャムなど言語道断！！許されざる行為ですよ！」
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白亜(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます！頑張らせていただきます (2018年12月4日 19時) (
レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - このジン好きすぎる！笑 続き楽しみにしています！ (2018年12月4日 11時) (レス) id: 8705ebf4fc (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - りずりさん» コメントありがとうございます！頑張りますw (2018年11月10日 15時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
りずり - 続きが楽しみです！頑張ってください(●･ω･●) (2018年11月10日 14時) (レス) id: f9e3d4f71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白亜 | 作成日時：2018年10月7日 10時
