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赤は眠る。 ページ23

今日は楽しい一日だった。

何となく笑みを浮かべて、ソファに勢いよく座る。お風呂上がりで、湿った髪の毛から水滴が跳ねて、顔にかかった。


安室透氏にフォローした後、シャロンさんと沢山話した。赤を語り続ける私の話を彼女はずっと聞いてくれていた。


沖矢昴氏と同じように時々頷いてくれた。



「今度、哀ちゃんとお泊まりしたいな…料理作れるようにしなくちゃ…」



元気になったら、来てくれると言ってくれたのだから、沢山練習して、哀ちゃんを笑顔にする!

少年探偵団の歩美ちゃんとか蘭さんとかも…あ、家が狭いか……




昔の自分が今の自分を見たら、大層驚くだろう。

赤好きだけが生き甲斐の私が友人関係を築けているのだから。




「んー、ご飯作るのめんどくさいなぁ…」



首に掛けていた手拭いで髪の毛先の水分を吸い取る。ふらりと体をソファに倒して、ため息をつく。



徐々に重くなる目蓋



明日は休みだ。



このまま寝てしまっても、誰にも怒られない



眠気に逆らうことなく、意識を手放した。




〜〜




愛してるよ、A…





死んだあの人はそう言った。




当然、これは夢だ。


そうでなければ、あの人が見えるはずがないし、会えるはずもない。




ポタ…



それは赤い何かだった。



ポタ……ポタ……




あの人の体から湧き出ていた。



あの人はスローモーションのビデオを見ているみたいに本当にゆっくりと倒れていった。



広がっていく赤い何か



後退しようとしているのに、私の体は動かない。



その赤い何かが、突然真っ赤な手に変わり、私の足首を掴んだ。



真っ赤に染まった視界。



狂気に染ったあの人の顔が目の前に迫ってくる。





You kill me.You cannot help me.



Please, let me kill.





あの人は悲しげに崩れていった。



〜〜




「っ……!」




ジェットコースターの下り坂に差しかかる時のような感覚に、身震いする。


どうやら、ソファから落ちてしまったようだ。



嫌な夢を見た…


額に浮く脂汗を拭い、水を飲むために起き上がる。



あの人の赤くなった体がフラッシュバックする。



あの人が目の前で死んでから、時間が止まっている。



あの日から、赤が好きだという気持ちが爆発的に大きくなった。




喉を通るこの水も、赤くなる。




自分のこの体は水がなければ成り立たない。




また、私の心も赤に渇いている。

赤は悩む。→←赤は嫌う。



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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 落ちは安室透   
作品ジャンル:アニメ
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白亜(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます!頑張らせていただきます (2018年12月4日 19時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - このジン好きすぎる!笑 続き楽しみにしています! (2018年12月4日 11時) (レス) id: 8705ebf4fc (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - りずりさん» コメントありがとうございます!頑張りますw (2018年11月10日 15時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
りずり - 続きが楽しみです!頑張ってください(●・ω・●) (2018年11月10日 14時) (レス) id: f9e3d4f71f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜 | 作成日時:2018年10月7日 10時

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