赤は嫌う。 ページ22
「今日は元気そうですね、Aさん」
……こと発端は彼だと思う。
この安室透氏だ。
何故?私が仕返しをするために情報集めようと安室透氏を尾行しなければ、シャロンさんにも会わなかったし、あんな辛い目には合わなかったという事だ。
つまり!
彼が私を助けることは必然であり、安室透氏の予定内だったという訳だ。
「Aさーん」
あの映画館での出来事を思わせる慰め方をして余計涙を煽るなんて、曲者のやることだ。
沖矢昴氏との関係についても彼には関係ないはず。
「おーい」
ちくしょう。シャロンさんという彼女がいながら、どうしてこんなに美味しいハムサンドを作るんだ。マジで意味わかんねえ。
そうだよ!コイツ浮気してんのか!?
シャロンさんを長い間放置することに興奮を覚える糞野郎か?
もしかして、そういう性癖でもおありなのか…
シャロンさんが忙しいって言ってたのに、この人はなんであんなところでうろちょろしてたんだ…
ドンッ
「!?」
「何を考えていたんですか?」
安室透氏の手が机の上に乗っかっていて、満面の笑みを私に向けている。
「いーえ、彼女いるのに、私の看病までしてくれるなんていい人だなあと」
「彼女…?僕に彼女はいませんよ?」
わざとらしく考える素振りをしている安室透氏がとても滑稽だ。
「ははっ、まあ言えないのもわかります。お似合いでいいと思うんですけどね。」
私は会計するために立ち上がると、我に返った安室透氏が追いかけてくる。
「え、ちょ、Aさん?」
気にせず、興味津々に私を見つめてくる梓さんに料金とぴったりのお金を渡す。
「ま、相談ぐらいは乗りますよ。安室透氏は嫌いだけど、彼女は嫌いじゃない。」
親指を立てて、ウィンクし、店を出た。
取り残された安室透氏は、怪訝そうな顔で背中を見つめて呟く。
「身に覚えがない…」
ーーーー
「あ!!シャむぐっ」
「しーっ!今、お忍びなのよ。ここに居たってバレたら困るの」
「そ、そうだったんですか。」
なんだ、喧嘩中か?にしたって厳重警戒しまくりだな、シャロンさん。深く帽子をかぶっていて、サングラスもしている。
「シャロンさんって、女優か何かしてたんですか?」
シャロンさんはポカンと口を開けて、直ぐに笑い出した。
え、何か可笑しかった?
「Aは何も知らないのね。でもそれでいいわ」
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白亜(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます!頑張らせていただきます (2018年12月4日 19時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - このジン好きすぎる!笑 続き楽しみにしています! (2018年12月4日 11時) (レス) id: 8705ebf4fc (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - りずりさん» コメントありがとうございます!頑張りますw (2018年11月10日 15時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
りずり - 続きが楽しみです!頑張ってください(●・ω・●) (2018年11月10日 14時) (レス) id: f9e3d4f71f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白亜 | 作成日時:2018年10月7日 10時