HUNTER×HUNTER短編集！作っちゃった！てへっ★ (ページ30)

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問題です（３０）ページ30

貴『さあ、問題です。貴方は私に勝てるでしょうか。』

「はぁ？勝てるに決まってんだろ。」

貴『ぶぶー。不正解です。』

「なっ…」

目に見えぬ速さで背中に回り込む女は、遠心力を利用し力が込められたその足で男を外に追いやった。

大きな物音と共に、観客席に転がる男。

既に意識はなかった。

貴『正解は、貴方は勝てません。

何故なら、私が強くて頭が良くて可愛いからです』

ーーーーー

貴『ああああああ…！またやっちゃったよ…！！』

私には大きな悩みがある。

実は念能力を自分の意思で発動出来ないのだ。

条件があるみたいで、戦闘中で相手が男、舐めてかかってくる相手のみ、能力が発動する。

発動した時、私の意思は無視して、勝手に喋り、通常より数十倍の力を持つ。

とはいえ、私の意思が消えてしまう訳でもないから、余計恥ずかしい。

溜息をつきながら、適当に店を選び、食事を取る。

ハンバーグを口に入れ、咀嚼する。

ふと、視界の隅に赤い髪の男が映る。それも気持ち悪いほどの笑みでこちらを見ているのだ。

貴『……』

逃げるが勝ち。ただ、このハンバーグを残すわけにもいかない。

「逃げようとしなくてもいいじゃないか」

え。

その男は、私が焦っているあいだに既に行動していたのだ。気持ちわる…

貴『さて、問題です。』

「ん、何かな。」

貴『私はあなたに勝てるでしょうか。』

「無理だね。」

貴『……せいかいです』

ぷつんと緊張の糸が切れたのか、私の体がすごく重く感じた。

正解するパターンは初めてだ。

どうやら、この人はとても強いみたいだ。逃げられないし、自分の身も守りきれないらしい。

貴『はぁぁ…』

このだるさがキツい。

「…なんかごめんね？」

貴『謝って済むなら警察いらないですよ…全くもう。』

「まあまあ、この料理のお金、ボクが出すから許してよ。」

貴『もういいですって。ここ、支払いが先ですから。』

「そっか、ボクはヒソカ。よければ明日、話し相手になってくれないかい」

彼は気味の悪い笑顔をまた貼り付けて、こちらを覗き込む。この笑顔は嫌いだ。

貴『嫌です。』

ﾋｿｶ「じゃあせめて」

貴『嫌だ。』

ﾋｿｶ「残念」

断っても余裕そうな感じがまた腹立つ。