ジン=フリークス 遠い (12) ページ12
すぐどこかへ行ってしまう
あなたが隣にいても、きっと遠く感じる
灰色の空をあおぐ。
止まない雨に、流れる赤い液体。
貴『ジン…』
呼んでも来るわけがないか…
私は、人を殺めてしまった
いっときの感情に身を任せてしまった。
私の足元に転がるモノは、私の夫だった人。
子供ができない私の気持ちは彼は永遠に理解しないだろう。
その脳はもう動かないのだから。
何も知らない夫は、わたしの念能力で殺された。
一つでも私のことを知れたことが冥土の土産になることを心の隅で願った。
ああ、空っぽだ。
もうあなたしかいないのならば
消えてしまおうか…
私の大親友、ジン=フリークスよ
初恋の人、ジン=フリークスよ
今、一度、会いたい。
貴『ジン=フリークス…』
「これをやったのはお前か?」
ふと耳に入った声。
それは何処と無くジン=フリークスと同類の…
同類というのは、カリスマ性などの類い。
分類は全く別のものだろう。
黒髪をオールバックにし、額に逆十字。
「聞いているのか。」
ああ、重い。
これだから、念能力の使い手は嫌いだ。
気に入らないことがあると威圧してくる。
貴『聞いてますよ。』
気付くと男が目の前にいた。
「…」
貴『何よ。』
深い深い瞳。
「なぜ殺した」
ナゼ?
貴『殺したかった以外に
何があるのか教えてもらえるのかしら。』
冷たくなった手は勝手に動き、彼の頬に手を伸ばす
失った温もりが恋しい。
あと数ミリのところで誰かに手首を掴まれる。
「夫の前で浮気か?ツバキ」
その手は望んでいた温もりそのものだった。
貴『ジン…なの…?』
目の前の男も驚いていた。
そのまま引っ張られ、目の前にいた男から離される。
「そいつに触れちゃダメだ。」
貴『どうして』
「お前とは関係のない、別世界の人間だ。」
貴方はいつもそうやって突き放す。
けれど、受け止めてしまう私。
貴『わかった…』
「泣いてんのか」
さっきまでいた男が消えたことを確認したジンは心配そうに覗き込んできた。
貴『っ…ジンっ…!』
あなただけは離れないで
「泣くんじゃねえよ、知り合い紹介してやろうか?」
お前でも殺せないような奴をよ。
パリストン 殺人妻(13)→←イルミ=ゾルディック 役目(11)
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白亜(プロフ) - 神無月藤四郎@もか丸さん» コメントありがとうございます!楽しみにしてくださって嬉しいです 頑張ります! (2018年5月10日 22時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
神無月藤四郎@もか丸(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月10日 0時) (レス) id: 9647401f65 (このIDを非表示/違反報告)
まき - ? (2018年5月9日 20時) (レス) id: d04c139f6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白亜 | 作成日時:2015年11月3日 23時