役目 ページ11
中 「あー、そういえば肺を体にしまい忘れたな」
「…ちゃんと保管してあります」
ミ 「嘘でしょ…あるの?!」
ミコトは2人からあり得ない事実を聞き、Aと中堂の腕を掴み解剖室へと引っ張った。
解剖室へとつき、中堂は保管庫から666番の書いてある1つの容器を取り出した。
ミ 「これ窃盗ですよ?!」
中 「俺は警察の奴らに遺体を閉じて返せと言われた、だから言われたとおりに返した。だが、取り出した肺を体に戻せとは一言も言われていない!」
ミ 「屁理屈…、Aも一緒にいてなんで…」
「…私も中堂さんと同じ気持ちなんです」
ミ 「嘘でしょ…」
ミコトは中堂はまだしも、Aの予想だにしなかった行動を、すぐに受け入れることができなかった。
中 「Aを責めるな、プランクトン検査の結果は?」
ミ 「海水の成分は検出されましたが特にめぼしいものはでていません…」
「では、現場の海水との比較が必要ですね」
中 「そうだな」
ミ 「まだ調べるつもりですか?!」
ミコトは2人の調査の続行に噛みついた
ミ 「中堂さんは個別の案件に深入りするタイプじゃないと思っていました、Aもこんな大胆なことをするタイプではないと思って…どうしてそんなに…」
中堂とAは解剖台に寄りかかり、静かにミコトの言葉を聞いていた。
ミ 「納得のいく説明をしてください」
ミコトは力強く2人を問い詰めた
中 「…考えことがあるか、永遠に答えの出ない問いを繰り返す人生」
そのフレーズは以前にAから聞いた、そのものだった
中 「今、結論を出さなければこの人物がどうして死んだのかを知ることができない。今、調べなければ…、調べなければ永遠に答えの出ない問いに一生向き合い続けなければならない。」
Aは中堂の言葉に、亡き兄の姿を頭に思い描いた。
「その問いには必ず答えがあるんです。でも、その答えにたどり着くことができなくて、ただ時間だけが過ぎていきます。時間が過ぎても苦しみがなくなることはありません。知る機会を失ってしまったら、苦しみを繰り返す人生を生きていかなければいけないんです。」
中堂もAの言葉に亡き恋人の姿を頭に思い描いた
中 「そういう奴を1人でも減らすのが法医学の仕事なんじゃないのか?」
「答えを見つけて残された者を救うことが法医学の役目ではないのでしょうか?」
ミコトは2人の言葉にある重みを感じ取り、何も言えなかった。
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (9月17日 20時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
和泉(プロフ) - すっごい面白いです! できれば完成されてほしい! (2018年9月26日 17時) (レス) id: be6e874527 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - いよいよ今日でドラマ最終回!結末がどうなるのか気になりますが小説の最後(完結)も気になります。完結まで、まだまだ先かと思いますが無理のない更新で頑張って下さい! (2018年3月16日 17時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - <つづき>また「見えるのはゴミ」でミコトと久部の会話で「ミスをは久部の考えていることが理解できず…」の「ミスをは」とは?『三澄』のことでしょうか?スミマセンが確認後、訂正お願いします! (2018年3月16日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - <つづき>「葛藤」では「…無理にまきこまれるひ必要はない」の『ひ』は要らないのでは?<つづく> (2018年3月16日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユエ | 作成日時:2018年3月7日 0時