【 utit 】拝啓、わたしの辛い日々【 urtnk 】

結婚 弐拾 ページ20

… なんてことがあったが … まさか大事に育てられたんじゃなく育てられたと言えるか怪しいような育て方をされていたとは … 。

そりゃ両親が異能力者でもその子供がなんの異能力を持たないのであれば実父は一族の恥だと隠そうとするだろうし、なんなら使用人以下の扱いしかされていなかったのなら使用人同然の自分の娘の話はしないだろう。
だとしてもこれは酷すぎじゃないだろうか。

でもこれが本当なのであれば … 九重のお嬢さまの心が見えにくいのも納得がいく。

虐待に育児放棄に窃盗に暴行 … 。これを公に出せば一発であの一家はお縄になるだろう。
だがあの九重のお嬢さまはそれを望みはしないだろうな、と思いこれからどうしようかと思考する。

… まあとりあえず … 。


「 うらたさんに報告するしかないか 」


これは俺がどうこう言える問題じゃないのだから。

*・.・*・.・*・.・*・.・*
美桜視点

日中、センラさんと家事などを分担して行った。洗濯や掃除などのことはもう九重家で慣れていたから特に困ることはなかった。

強いて言うならどうして炊事洗濯掃除の仕方がわかるのかと聞かれたときだけ。
まあ 企業秘密です なんて言ってごまかしたのだけど。


そして今。


「 … … 」

「 … … 」


夜になり、坂田さんたちは旦那さまが帰ってくる少し前に帰っていった。
そして玄関で旦那さまの帰りを待っていた私は旦那さまと ただいま と おかえりなさいませ を交わした後にすぐさま頭を下げる。

普通であればもう住み込みで働ける場所を街で見つけてこなければいけないのだろう。でも私はまだこの家にいたいと図々しく思ってしまっていたのだ。

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ほんの少し更新をお休みさせていただきます。

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