夜兎族最強の子が大正時代に行った件について

二十話 ページ22

そうと決まれば早速行動だ。だがしかし、この暴走状態の鬼をどうやって大人しくさせるか…


…ん？あれは……


私の目線の先には、竹でできた背負える程の大きさの箱があった。


……あれ、使えるな。あれの中に鬼を入れれば、朝にここを出れば日が落ちる前に浅草に着くだろう。



『よし、行き方は決まった。次はこの鬼だが……あっ、そう言えば、しのぶが試作品が出来たとかで渡されてた…』



この任務に行く時、しのぶから｢対鬼用の薬の試作品が出来ました。殺すことは出来ませんが…麻酔程度の効き目はあると思います｣みたいな事言ってたな…



『凄ぉく都合良く鬼(実験体)がいるわけだし、ありがたく使わせてもらおうか』



そして、懐から注射を取り出し暴れ続ける鬼に打つと、次第に動きが鈍くなり、完全に動かなくなった。



『……え、死んでないよな？これ』



決して死んでいる訳では無い。ちゃんと目は開いてるし、息もしている……



『凄いなぁしのぶは』



動かなくなった鬼の腕を持ったまま竹籠の元へ行き、悪戦苦闘しながらもなんとか中に入れることが出来た。


……さて、



『あとはあの子達にどう説明するか、だな…』



どう説明すればいいんだ。君達のお母さんは鬼にされました？信じるわけないだろ頭おかしいヤツだと思われる。


しかし、嘘を伝えるわけにもいかないよな……特に、あの実弥ってやつは鋭そうだ。



『…面倒くさいなぁ……』ﾎﾞｿｯ



……はっ！！いかんいかん。人を助ける者たるもの、そういった事は面倒くさがらずにやらなければ…。


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大正コソコソ噂話

Aは頭がとても良く、しのぶと仲良くなってからはよく一緒に色々な薬を作っているぞ！


し｢Aさんは凄いですね。私には到底思い付かないことを思い付いてしまう…尊敬します｣


『そうか？そうでも無いと思うが…(まぁ私がいた場所、文明の発展がやばかったもんなぁ……)』

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