十三話 ページ15
し「……えっ?」
私がそう言うと、胡蝶妹は驚き、顔を上げた。
『鬼の頸が斬れない剣士……それを言えば、私は呼吸による技が使えない剣士なんだが……』
し「で、でも貴女には力がある。だから柱にまで…」
『そう。私は技が使えない分、力で補っているんだ。技が使えないから、力で鬼と戦う。何かが出来なければ、その何かを補うもので戦えばいい』
し「何かで…補う……」
『そう。胡蝶妹、お前の得意な事は何だ?』
そう言うと、胡蝶妹は考える素振りをしてから、
し「私は…薬学が得意です。薬学だけは、皆さん認めてくれていて…」
『薬学か……あっ!なら、鬼を倒す毒とか作ってみればどうだ?』
し「お、鬼を倒す毒…ですか?」
『そう。そうすれば、頸が斬れなくても鬼と戦うことが出来る。どうだ?』
し「………そんな事、考えもしなかった……凄い人ですね、日比谷さんは」
『そうでも無い。私は思った事を言っただけだ。というか私は、胡蝶妹に鬼殺隊になるのは無理だと言った隊員に腹が立つな』
そう言う私の顔は、多分眉間に皺が寄っていることだろう。
し「な、何故ですか?」
『そもそも、他人が人のやりたい事を馬鹿にするものではない。それが悪い事なら一理あるが、人を守る目的ならば応援すべきだ。助言すべきなんだ。それを、確証もなくただ否定するのは愚か者のすることだ。本当に腹が立つ』
し「……ふふっ、貴女は凄いだけでなく優しいんですね…尊敬します」
『そ、尊敬!?私はそんなに凄い事は言ってないぞ!当たり前の事を言っただけだ胡蝶妹!』
し「(当たり前の事…ですか。)私の事はしのぶと呼んでください」
『ん?…あぁ、分かった。それじゃあしのぶも、私の事はAと呼んでくれ』
し「!?そ、そんな!柱の方を名前で呼ぶなんてことは…!」
『あー……言い方を変える。私と友達になってくれ、しのぶ』
そう言って右手を差し出すと、しのぶは私の顔と手を交互に見てから、
し「…えぇ。そういう事なら、喜んで。よろしくお願いしますね、Aさん」
『敬語とさん付けは取らないのか…』
し「これはもう癖なので」
んー、まぁいいか。
この後、カナエが帰ってくるまでお喋りをしていて、帰ってきたカナエが羨ましがっていた。
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小石(プロフ) - 深月あかざさん» コメントありがとうございます!いや、自分でも中の人ネタは出していいものか悩んだのですが、個人的に聞いていて凄く気になっていたのでw (2020年1月3日 18時) (レス) id: cd112bea33 (このIDを非表示/違反報告)
深月あかざ(プロフ) - 杉田さんのことを出してくるとは...ww流石ですね!!w (2020年1月3日 18時) (レス) id: 1aaf81dffb (このIDを非表示/違反報告)
小石(プロフ) - 皆さんあけましておめでとうございます!これからも亀更新でやっていきますが、暖かく見守っていてください!今年もよろしくお願いします! (2020年1月1日 0時) (レス) id: cd112bea33 (このIDを非表示/違反報告)
小石(プロフ) - みょんみょんさん» そうですそうです!分かる人がいたwあの話凄い面白くて好きなんですよねー! (2019年11月30日 14時) (レス) id: cd112bea33 (このIDを非表示/違反報告)
みょんみょん - 二十七話のとこって、スタイリッシュチャーハンですよね? (2019年11月30日 11時) (レス) id: a2c93f41d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小石 | 作成日時:2019年9月21日 19時