魔女の集会で会いましょう？【まふまふ】 (ページ5)

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可哀想で、馬鹿な子。ページ5

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「そしたら、昨日捨てられたんだ」

『いきなりだねぇ』

「なんか父さんの会社が潰れたらしいんだ。理由は父さんの判断ミスだったんだけど、僕のせいにされた。」

『待て、何故理由を知っている？』

「ん？あぁ、兄様達が話してるのをきいたんだ。…だけど、父さんはプライドが高くて自分のミスだって認めなかった。その代わり、僕のせいだって言ったんだ」

『…』

「勿論僕は何もしてない。でも、悪魔の子だから不幸を運ぶんだって。だから、捨てられた」

…もしこの子が不幸を招く悪魔だったらとうに不幸になってたはずなのにねぇ

「それで、やっと気付いたんだ。僕は悪魔の子なんだって。」

最後に言い終えるとその子は顔をあげ、寂しそうに微笑んだ。

…本当に可哀想な子。

その顔を見つめ、ふと問いかける。

『それで、自分は不幸を呼ぶから食べて下さいって？笑わせるんじゃないよ。そんな奴食ったら今度は私が不幸になるじゃないか』

「…父さんに、食べられてこいって言われた」

あぁ、本当に馬鹿

「お前なんて要らないって言われた」

人間はどうしてこうも自分の子供にそう言えるのだろう

「お前はキルス家の恥だって」

そんな言葉を真に受けているお前も馬鹿だよ

「だから、食べて。僕を殺して。僕をこの世から消して」

馬鹿で、可哀想な子。

『へぇ、じゃあ頂こうかねぇ』

私が呪文を唱えと手のひらから赤い炎が出る。

にぃ、と笑いながら子供に近付くとその子は一瞬瞳を揺らした。

『…さぁ、どこから食ってやろうか』

ぽん、と肩に手を置くと微かに震えている。

『おや、どうしたんだい？震えているじゃないか』

意地悪く問いかければふいっと顔をそらす。

『…本当は、死にたくないんじゃないかい？』

優しく、そう言えばぴくりと肩を揺らした。

『本当の事を言ってごらんなさい』

しばらくの沈黙。

喋る気配はない。

ふと、頬の黒いものを見つけた。

私がその黒いものに触ると分かりやすく肩を跳ねさせる。

『これはなんだい？』

「……火傷」

『付けられたのかい？』

そう問えばこくりとうなずく。

『痛かったかい？』

こくり。

『恨めしいかい？』

こくり。

『憎いかい？』

こくり。

『死んで欲しいかい？』

…こくり。