【薄桜鬼】暗殺者『桜姫』其の弐 (ページ8)

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▲第肆拾捌章▽ ページ8

(沖田ｻｲﾄﾞ)

襖が勢いよく開かれる

土方「山南さん！」

山南さんを、土方さんが手刀打ちでAから離し、僕と一くんが抑えた

Aは息を切らしながら、力が抜けたように壁に寄りかかって座り込む

千鶴ちゃんは気を失ってしまい、山南さんは苦しそうに倒れた

土方さんが幹部達に指示を出し、皆が動き出す

土方「今夜が峠だ。生きるか、死ぬか、壊れちまうか…」

A「はぁ…はぁ…」

沖田「A、大丈夫？」

隣に行ってしゃがむと、Aは微笑して一言
「疲れた」と言って、僕に寄りかかって寝ちゃった

翌日

(Aｻｲﾄﾞ)

目を覚ますと、横には総司がいた

沖田「おはよ^^」

A「…山南さんは？」

沖田「峠は越えたみたいだし、今は寝てる。さて、座敷に行こうか。もう皆いるよ」

A「うん」

座敷

私達が座敷に入って座ると、伊東さんが入ってきた

皆「！」

沖田「ｹﾎｯｹﾎｯ…ｹﾎｯｹﾎｯ…」

原田「大丈夫か？総司」

沖田「うん、空気がよどんだから、つい…」

それもあるだろうけど、本当かな…？

伊東「あら、こんな爽やかな朝なのに皆さんの顔色が優れませんのは、昨晩の騒ぎと関係あるんじゃありません？」

近藤「あっ、いや、その…」

永倉「ｺｿｯおい、誤魔化せよ左之」

原田「ｺｿｯえっ、俺が？じゃ、A((」

A「ｺｿｯやだ」←即答

沖田「ｺｿｯはいはい、そういうことは説明上手な人に任せましょうね」

一が立ち上がった

斎藤「伊東参謀のお察しの通り、昨晩、屯所内にて事件が発生しました。しかし状況は未だ芳しくなく…」

伊東「まあ、それは大変ですこと」

斎藤「参謀のお心に負荷をかけてしまう事態は我々も望むところではありません。事態を収拾し、今晩にでも改めて伝えさせていただきたく存じますが」

伊東「なるほど…事情は分かりましてよ。そういう事でしたら、今晩のお呼ばれ、心待ちにしていますわ」

そう言って去っていった

襖が閉まった途端、皆から溜め息が漏れる

沖田「なんとか見逃してもらえたみたいだけど…もしかして、一くんの対応が気に入ったのかな？」

斎藤「そう願いたいものだな」

土方「幹部が勢揃いしているのに、山南さんだけ居ねぇんだぞ。あの人絡みで何かあったって事くらい、伊東ならすぐ察しが付くだろうが」

沖田「あぁ、そうだったねぇ…あの人めんどくさいなぁ」

うんうん

その後、近藤さん、トシさん、総司、私で山南さんの部屋に行くことにした