【薄桜鬼】暗殺者『桜姫』其の弐 (ページ5)

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△第肆拾伍章▼ ページ5

(Aｻｲﾄﾞ)

ある日

伊東さんを含めたいつもの面子が集まる

いつも思うんだけど、幹部でもない私がこういう集まりに参加するのは何でなのかな？

近藤さんが畳に京の地図を広げる

また隊士が増える予定で、新しい屯所を探すみたい

土方「西本願寺」

トシさんがそう呟き、皆の視線が集まる

山南「西本願寺は、長州をはじめとする不貞浪士の隠れ蓑…我々を素直に受け入れるとは考えられませんが…」

土方「そんなことはどうだっていい。寺と坊さんをダシにして、今まで好き勝手してきたのは長州だ。いざとなれば力ずくでも承諾させる」

山南「僧侶の動きを武力で抑えつけるなど、見苦しいと思いませんか？」

永倉「まあ、確かにそうだな…山南さんの言うとおりかもなぁ」

近藤「トシの意見はもっともだが…山南くんの考えも、一理あるなぁ」

近藤さんが考え込んでいると、伊東さんが口を開いた

伊東「西本願寺、よろしいんじゃないですか？私も、いろいろ調べました」

西本願寺屯所案と書かれた紙を取り出す

伊東「屯所としての立地も条件もいい。土方くんのおっしゃる通り、我々が寺を拠点とすることで長州封じにもなりますしね」

斎藤「確かに、長州は身を隠す場所を1つ失うことになる」

原田「まあ、坊主どもは嫌がるだろうな。西本願寺からなら、いざという時に動きやすい」

永倉「そりゃあそうだが…」

近藤「う～ん…」

山南「しかし、正義を欠いた大義など、いずれ綻びが出ます」

伊東「山南さんは、あいかわらず大変に考えの深い方ですわね。しかし、物事を推し進めるには、強引かつ大胆な作も必要ですわ。守りに入ろうとするお気持ちは、わかりますけど」

山南「守り？」

伊東「…その左腕は使い物にならないそうですが」

皆「！？」

皆の顔が一気に強張る

伊東「でも、剣客としては生きられずとも、お気になさることはありませんわ。山南さんは、その才覚と心慮で、新選組を十分に助けてくれそうですもの」

私は拳をギュッと握りしめた

A「今のどういう意味？伊東さん。山南さんは剣客としても新撰組に必要な存在なんだよ」

山南「Aさん、私の腕はもう…」

A「！」

伊東「あら私としたことが、失礼いたしました。その腕が治るのであれば、何よりですわ^^」

A「っ…」

俯くと、総司は黙って私の頭を撫でた

結局、西本願寺で計画を進めることになり、山南さんは座敷から出て行ってしまった

伊東さん、やっぱり嫌い…