【薄桜鬼】暗殺者『桜姫』其の弐 (ページ22)

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▲第陸拾弐章▽ ページ22

～数日後～

A「トシさ～ん」

部屋に勝手に入る

土方「ったく…何だ？」

A「ちょっと出掛けてくる。お団子買ってきてあげるからさ」

土方「食べ物でつるのかよ！？」

A「駄目？」

トシさんは溜め息をついて私の目を見た

土方「仕方ない、許可する。お前の目は真剣だからな」

A「ｸｽｯありがと」

町の方へ行き、本屋に入った

労咳について書かれた本を手に取る

A「………ふ～ん」

感染症…治ることは無さそう…
やっぱり、死病って言われてるからね…

治療法とか一応確認してから本棚に返す

本屋を出て、裏道の方を歩く
と、後ろから何か気配を感じた

振り向くと同時に刀を抜いて、相手の攻撃を防ぐ

A「こんな所で何してんの？…千景」

風間「それはこちらの台詞だ。自身の立場を分かっていながら、こんな人気のない場所を一人で歩くとは…無防備にもほどがある」

A「近道したかっただけ」

そう言って斬りかかると、髪が少しだけ切れた

風間「ほう…」

次の攻撃は防がれる

風間「今日こそ、けりを付ける」

A「出来るものならどーぞっ」

刀を振り上げる

けど、そのまま腕が動かない…

恐る恐る振り向くと、天霧が私の腕を掴んでいた

さらに不知火も出てきた

A「…正々堂々と1対1じゃないんだ？私を殺せる自信ないの？」

風間「そうだな…お前は我々鬼の脅威だからな」

A「そっ」

天霧に蹴りを入れて離れる

天霧「っ…やはりその速さは…」

A「じゃあ、3人相手してあげる」

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どれくらい経ったんだろう？

お昼過ぎに出掛けて、もう日が傾き始めていた

A「ハァ…ハァ…」

血が流れる右脇腹を押さえる

不知火「もう諦めた方がいいんじゃね？」

銃を額に当てられる

A「そういう、わけには…いかないん、だよね…」

風間「？」

A「組長の許可、もらわないと、死ねない…だから、また今度…」

素早く建物の影に回り、なんとか逃れた

A「ハァ…ハァ…っ…」

屯所に帰る途中、だんだん眩暈が酷くなってくる

藤堂「あ、いた！左之さん新ぱっつぁん、こっち！」

聞き慣れた声がして近付いてきた

藤堂「って、Aどうしたんだよ！？その怪我」

A「平助…ハァ…ハァ…ごめ、ん…」

平助の方に倒れ込む

藤堂「え、お、おい！」

そこで意識を手放した

～その頃～

不知火「ちぇ…」

天霧「逃げられましたね…」

風間「ﾌｯまあいい」