大丈夫だよ、大丈夫

第004句 NO side ページ6

_______放課後_________


｢凄いです、Aちゃん！

ルールも札も１日で覚えるなんて！！｣

｢ありがと〜、カナちゃん！

カンペキじゃないかもだけど...。｣

それでも凄いと奏に褒められて嬉しそうなA。

千早と話していた太一の耳にも入り、少し目が見開かれる。







.







１日で覚えるのは異常だ。

興味があって好きな理由ではなく、ただの余興のためだけに。

太一には理解できなかった。

そこまでまして勝ちたいのか、何の為にそこまでするのかが。



｢あ...そろそろ始めるかい？｣

｢うん！！！｣


勉の言葉で千早とAが座る。

詠むのは奏。

太一、優征、勉は審判＆見学。

特に何も変わらない試合。

ただ、誰もが千早の勝利を確信している。





｢｢お願いします。｣｣

きちんとお互いに礼。



｢｢お願いします。｣｣

もちろん読み手にも礼。


これでかるたは始まる。







.








｢難波津に 咲くやこの花 ふゆごもり

いまを春べと 咲くやこの花 ｣


序歌から入り



｢ 人m ｣



三字決まりの《ひとも》

三文字目が聞こえたところで千早が取る。


Aはひとつも動かない。

２枚目、３枚目も千早が取る。




｢綾瀬のやつ、やっぱ手加減なしかよ！！｣

｢無理だよ...綾瀬だから。｣




遠まわしに千早を貶してる気もするが。









_____だけど、それは５枚目からおこった______

第005句 side真島太一→←第003句 side真島太一

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す