く。 ページ10
「荊様、何故鍛刀しようと思ったのですか?」
部屋に戻ったアイは、置いてある高級なソファに寝転びながらクッションを抱いてるとこんのすけがソファの背もたれの上に立った。
『…簡単よ。
あたしの懐刀が欲しかった鍛刀だけ』
「でしたら既に顕現されている方のほうが『得体の知れないやつを守る義理なんて、刀にはないと思うけど?』…それは…」
『それに、ここのやつらは来たやつを主にするようなことはしないし、経験上もう信じないでしょ』
彼女の言葉にこんのすけは固まった。
「で、では審神者様……、この本丸で起きたことは……」
『ふん、大方分かるわよ。
"3振"もね』
「‼︎
鯰尾様と骨喰様の行方も知ってるのですか⁉︎」
『どこかの馬鹿が結界を張ってまで隠してたんだから、分からないでしょうね』
「そ、それでっ、その２振りは何処に…‼︎」
『……zzz』
「え、ちょっ‼︎
(審神者)様⁉︎」
肝心な事になった瞬間、アイは眠ってしまった。
こんのすけが一生懸命起こそうとするが、起きる気配は全く無かった。
ーーーーー
「太鼓鐘は知り合いはいるの?」
「俺は伊達家にいたから伊達に関係ある刀だな!
誰かいるか?
「それなら多分ここに、……あ、丁度2人いる」
加州は太鼓鐘を連れて厨を覗けば、そこには炊事担当の歌仙と燭台切、そして手伝いに来た大倶利伽羅がいた。
「燭台切、大倶利伽羅」
「やぁ加州君、どうしたんだい?
もう少ししたら出来上がるけど」
「新しい刀が来たよ」
「新しい刀?」
「みっちゃん‼︎
伽羅も‼︎」
「貞ちゃん⁉︎」
「!」
燭台切は急いで手を拭き太鼓鐘に近付いた。
「2人とも居たんだな‼︎
鶴さんもいるのか?」
「いる」
「会えて嬉しいよ、貞ちゃん!」
「俺も嬉しいぜ!」
「新しい子なら、お膳を追加しなければいけないね」
「夕餉が出来るまで本丸案内するから行くよ」
燭台切は名残惜しそうに見送り、その様子に呆れた大倶利伽羅がため息をついた。
その後加州の説明を受けながら一通り見終わり、挨拶も終えて内番服に着替えると丁度夕餉が運び終わっていた。
「じゃ、後は燭台切達に任せるけど大丈夫?」
「ああ、ありがとな!
…なあなあ、主はここで食べないのか?」
「……あいつはいつも来ないよ」
「じゃあ迎えに行ってくる!」
「え」
振り返った時にはもう太鼓鐘は居なかった。
(主〜っ、飯食いに行こうぜ〜!)
(zzz)
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作者名：せーら | 作成日時：2022年8月14日 10時
