【刀剣乱舞】蝶が舞い降りる時。 (ページ9)

今日:48 hit、昨日:95 hit、合計:25,604 hit

はち。ページ9

三条刀とばったり出会ってしまったアイは、2人を一瞥するとそのままスルーして通り過ぎようとした。

「今日は部屋から出てきているのだな」

『……』

「さにわさま!
おひまならいっしょにあそびませんか?」

『……いい』

「そうですか……」

しゅん…と明らかに落ち込んだ顔をした今剣を見て、すれ違い様に頭を撫でて、彼女は本丸の奥に消えた。

「ははっ、また逃げられてしまったか」

「…あ、ちょうちょ」

「では中断していた血の匂いの根源を辿るとしよう」

ーーーーー

「それは真ですか審神者様‼︎」

キーン!となる様な声を出され、不機嫌な顔がさらに歪むアイ。

「まさか……まさか…‼︎
荊様が自ら鍛刀しようなどと発言されるとは…‼︎」

『(数は少なめでいいか)』スルー

キャンキャンと鳴くこんのすけを華麗にスルーし、鍛刀の妖精に資材を渡す。

そして…。

「…さっ審神者様⁈
何をしておられるのですか⁈」

『……霊力だけの顕現より血を混ぜる方が楽だから2:8の割合で作った依頼札を使うだけ』

「え、ぇえええ‼︎」

妖精が札を火の中に入れると、時間が表示された。
30分。

「短刀でございますね」

『ふぁあ〜……、寝る』

「え、ちょっ‼︎」

アイは1匹の蝶を留まらせた後騒いでいるこんのすけを放って部屋で眠った。

数時間後、目が覚めたアイは血液錠剤を数粒噛み砕いた。

『(…足りない)』

暫く布団に埋もれていたが、ベッドから出て鍛刀部屋に向かう。
外は火が落ちる前だった。

部屋に入ると短刀が出来上がっていた。
アイは顕現する際に使う札前に、指を噛んで血を紙に馴染ませた後刀に置いた。

ひらり……。

「俺は太鼓鐘貞宗!
伊達政宗公の息子、伊達忠宗様が使ってた刀なんだぜ‼︎」

顕現されたのは青髪に夕陽色の目を持つ太鼓鐘貞宗。

「あんたが俺の主だろ!
血が混ざってるからよく分かるぜ!」

太陽のような笑顔でアイに話かけると、彼女も思わず撫でてしまった。

『基本自由よ。
何かあったら来たらいいし、本丸の案内は -スパンッ- …丁度来たわ』

「びっくりしたーっ」

「ちょっとっ、いい加減一々俺呼ぶのやめてくれない⁉︎
……て、新しい刀?」

『案内してあげて』

「何で俺g…『初期刀なら"何でも"知ってるでしょ?』…」

『じゃ』

(よろしくな!)
(あ、うん)

(何かこいつ俺たちと違う気が…)