よん。 ページ5
加州 side.
『zzz』
「ちょっと、起きなよ」
いかにも高価な布団……洋式のべっとなるもので眠っている審神者。
華奢な肩を揺らすが何の反応もない。
朝、燭台切が審神者に会ったと聞いて部屋に来てみたけど本人は二度寝していた。
蛍丸もいたみたいだけど起きてくれないって言ってな。
いやでも普通肩揺さぶられたら起きるでしょ。
鯰尾達じゃないんだから。
「ちょっと!
ねえ‼︎」
『zzz』
こ い つ ‼︎
眠り深すぎるだろっ‼︎
むかついてまた肩叩こうとした時。
パシッ…
『…ん〜……うるさい……』
「、いくら起こしても起きないからでしょ」
『っ、眩しいから襖閉めて』
「は?」
ここは確かに電気は付いてなく暗い。
それに襖からの光は直射日光じゃないし部屋が見渡せるようになるぐらいの微かな光だ。
「寝起きで目が弱ってんじゃないの?
てか早く起きなよ、仕事あるでしょ」
『……夜起きるからいい。
用が無いなら出てって』
「こっちだって好きであんたの所に来てないから。
あとこんのすけ困らせるのやめてくれない?」
審神者は目を隠して布団に潜り込んだ。
俺はまた布団を引き剥がすと、今度は腕を掴まれた。
「っ」
『……あたしに指図する訳?』
薄暗い部屋でも目だけよく見え、手首をギリ…と握られた。
そのまま審神者は起き上がり不機嫌そうに俺を見上げた。
『あんた達はあたしの命令で動くんでしょ?
ならあたしが出て行けって言ったら出ていきなさいよ。
それとも、あんた達が嫌いな"言葉"じゃないと動かない?』
「っ…言っとくけど、俺達に何かしたらどうなるか分かってんの…っ?」
『んふっ、あんた怯えてるの?
声震えてるけど?』
こいつの言う通り、手が震えてる。
こいつ、普通の人間じゃない。
動けない俺の首に顔を近づけると、そいつはスン…と匂いを嗅がれ、身体が沸騰したように熱くなり慌てて離れた。
「っ⁉︎///
なっ…⁉︎」
『(初心か)
遊んであげようか?』
「結構っ‼︎」
急に恥ずかしくなり俺は部屋を出た。
自分の部屋の障子を勢いよく開けると同室の安定がびっくりしていた。
「清光どうしたの?
審神者のところに行ったんじゃ「行ったよ‼︎」…何怒ってるの?」
「あり得ないあいつ‼︎
何なのっ⁉︎」
「え、まさか何かされた?」
「……されてない」
「⁇」
改めて見た印象、あいつヤバい。
(清光顔真っ赤…)
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作者名：せーら | 作成日時：2022年8月14日 10時
