さんじゅに。 ページ33
「うぅっ、私はただっ…この子を審神者さんの所まで案内しようとしてぇ…っ」
『あたしの部屋とは逆方向なんだけど』
「酷いなあアイちゃん」
不機嫌な表情を更に深くした時、ライトはアイを後ろから抱きしめた。
「ここにも人間のオンナノコがいるなんてぇ」
『暑いです』
「(い……イケメ〜ンっ‼︎)
初めましてぇっ!
私見習いをしてる夢で〜す!
お兄さんは審神者とどんな関係なんですかぁ?」
「んふっ、僕はアイちゃんのお兄様だよ〜?」
ね、とアイの頬と自分の頬を擦り合わせると、アイは嫌そうに離れた。
夢はその瞬間ライトの腕に絡みついた。
「主のお兄さんなんだ。
あんまり似てないね」
「性格ともかく、外見はライ、君の上の子に似てるかな」
「君は主と暮らした事あるの?」
「え、うん。
ア…荊ちゃんのお兄さん達と……、私は居候みたいな感じ」
「……アンタよく耐えたね」
「え」
「アイツわがままじゃん、あと人使い荒い。
俺のこと何だと思ってんの」ｺｿ…
「あ、あー…(否定出来ない…っ)」
ユイはアイをチラリと見た。
「主は兄弟いっぱいいるの?」
『……』
「(否定しないって事はいるのかな?)」
「(アイちゃんもっとコミュニケーション能力を持って……っ‼︎)」
相変わらず何も答えないアイにユイは心配になってきた。
「お兄さんは何が好きなんですかぁ?」
「んふっ知りたい?」
「はいっ!」
ライトは夢の頬に手を添えると顔を近付けると、ユイが慌て出す。
「ダメっライ君っ」
「「!」」
「(邪魔すんじゃないわよっ)」
『ライトお兄様、"
アイは2人の間に入った。
「ちょっ…(何邪魔してくれてんのよクソ女っ)」
『アンタはさっさと戻って、次違う所にいたら明日増やすから。
ほんと教える時間が無駄』
アイは夢の腕を掴み上げると加州の方に投げた。
加州は慌てて受け止める。
『早く連れて行って、邪魔。
途中貞君いたら貞君も連れて行って』
「荊ちゃん、もう少し言い方…」
『関係ないが奴しゃしゃり出ないでくれる?
てゆうか何でライトお兄様と来たの?
アヤトお兄様は知ってるの?』
「え、えっと…」
「ちょっと、一緒に住んでた子なんだろ?
俺たちは兎も角もっと優しくしてやりなよ」
『関係ない奴がしゃしゃり出るなって言わなかった?
アンタ達は黙って従っていればいいのよ』
(荊ちゃん、そんな言い方じゃ……)
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作者名：せーら | 作成日時：2022年8月14日 10時
