じゅく。 ページ20
No side.
加州と大和守が部屋に入れば、アイは黒いレザー素材の高級ソファに寝転んでいた。
「お、来た来た!
主〜起きろ〜」
「審神者様っ加州様もいらっしゃいましたよ‼︎
これで話を聞いてくれますよね⁉︎」
「話ぐらい1人で聞きなよ…」
「清光が呼ばれたってことは大事な事なんじゃないの?
ほら、清光ここの初期刀だし」
こんのすけはソファにいるアイに近づいて頬を突いていると、無言で頭を鷲掴み加州に投げつけた。
「いちいちこんのすけ投げないでよ」
「わあっねえ清光‼︎
これすごく気持ちいいよ‼︎」
大和守はソファにあったクッションを触ると目を輝かせた。
「安定、ちょっと黙って」
『狐、早く詳しく話してくれる?』
「あんたも起きるんだよ‼︎」
加州はアイの腕を引っ張ると、彼女は不機嫌な顔をしながら起き上がり膝掛けに凭れかかった。
「ではお伝えします。
審神者様にも先程申し上げましたが、この本丸に見習い様が1人いらっしゃいます。
期間は上の方が連絡するので公開されません」
「?
それって無期限ってことか?」
「はい、そうなります」
加州と大和守は固まってしまった。
太鼓鐘は不思議そうにしていて、アイはつまらなさそうに話を聞いている。
「いつ来るんだ?」
「3日後です!」
「楽しみだなっ主‼︎」
太陽のような笑顔でアイを見る太鼓鐘の頭を、彼女は撫でた。
「……それって、もう決まったの?」
『…』
「拒否は出来ません」
「そ…」
「詳細はまた後で報告しますので、私は失礼いたします‼︎」
『待て狐』
「ぴっ…⁉︎」
『担当は言った通りにしたんでしょうね』
「もももも勿論でございますぅうう‼︎
ちゃんと審神者様の事を話したら快く受け入れて下さいましたぁああ‼︎」
『ならいい』
こんのすけは急いで政府に戻った。
アイはつまらなさそうに大和守と加州を眺めた。
「…!
話はそれだけ?
皆に伝えたらいいんでしょ?」
『さっすがー』
「安定、行くよ」
「え、うん…」
「そのくっしょん持って行って良いぜ‼︎」
「えっいいの⁉︎」
「主は怒らないしな!」
side end.
(主、あいつらどうするんだ?)
(何もしないよ)
(ふーん?)
((……また見習いか…))
((これすごく気持ちいい……あといい匂い))
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作者名：せーら | 作成日時：2022年8月14日 10時
