【刀剣乱舞】蝶が舞い降りる時。 (ページ13)

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じゅに。ページ13

バシャンッ……

「?」

日が昇り出した時間、風呂場から何かが落ちる音が響いた。
近くにいた者が風呂を覗いた。

「…え、審神者⁈」

湯船には審神者が浮かんでいた。

ーーーーー

『……ん…?』

アイが目を開けると、自分の部屋では無い天井が入り込んだ。

「お?
起きたかい?」

『……?』

「あんた風呂に浮かんでたんだよ?
のぼせたのかい?」

上から覗き込んできたのは次郎太刀だった。
彼は湯船に浮いているアイを介抱してくれていた。

「おや、目が覚めましたか」

部屋に戻ってきた太郎太刀もアイを覗き込んだ。

アイは閉じそうな半目で、もぞ…と起き上がった。

『(…服変わってる)』

「あのままだと風邪引くから着替えさせたよ。
全く、服のまま入ったら駄目じゃないかー」

次郎の心配など耳に入ってないのか、アイは呑気に欠伸をした。

「あんたの髪いい艶してんねえ」

次郎はアイのモーブ色の髪に指を通した。
そして知らず知らずのうちに髪を弄られている。

「そういえば、景趣は戻されたのですね」

「ああそういえば秋桜に変わってたねえ」

『…見たかっただけだから』

「花がお好きなのですね」

「おお〜ならあんたの髪に色んな花挿したら可愛いんじゃないかい?」

『(何処ぞのプリンセス)』

「主ー‼︎」

「おや」

スパーン!と勢いよく障子が開き、太鼓鐘が入ってきた。

「今日こそは大広間に行くぜ!」

『おはよ、貞君。
今日は眠いから行けないかな』

「いつもそればっかじゃん!
て、髪いつもと違う。
可愛いな!」

「流石伊達男だねえ!」

アイの髪型は次郎の手により1本の緩い三つ編みになっていた。

「よおーし、じゃあ朝餉食べに行こうか‼︎」

「おおー!
さんきゅーっ次郎太刀!」

『……』ムス

「次郎が強引で申し訳ありません」

『……別に』

「似合ってますよ、その髪型」

『(無自覚タラシ…?)』

若干拗ねているアイに、紅い蝶がひらひらと慰めるように飛んで髪にふわりと留まった。

(審神者じゃねぇか、今日は次郎太刀に連れてこられたのか?)
(次郎太刀さんも強引な所あるもんね)
((何あの髪型……可愛いんだけど……髪型が))
((清光また審神者見てる…))

(審神者さんっ……可愛い‼︎)