【刀剣乱舞】ずおとばみとゆきと ② (ページ9)

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ごじゅうよん。ページ9

「A!」

『いち兄』

骨喰と鯰尾が朝餉を運んできてくれるまで、私は布団を押し入れに直して縁側に立っていると、いち兄が来た。
いち兄は私を見ると、膝立ちになって私の顔をペタペタと触った。

『いち兄?
…んぅ』

「どこも何も無いかい?
痛い所とか、気分が悪いとかは?」

『んんーっ、だっ大丈夫だから』

熱を測るようにおでこを触ったり首を触ったりして、最後はきつく抱きしめてくれた。

「良かった……A…、無事に戻ってきてくれて…!」

『うん、おはよう、いち兄』

「おはよう」

ーーーーー

『え、3日?』

そんなに寝てたの?と驚けば、骨喰と鯰尾は食べながら頷いた。

『だから体が痛いのかな。
あ、私顔爛れてない?』

「かかった部分は赤いけど、爛れてないよ」

「ああ、いつもどおり可愛い顔だ」

『んぐっ』

思わず咽せてしまった。
鯰尾に背中を摩ってもらい、落ち着かせた。

もう骨喰の天然さが怖い。
好きだけど。

「骨喰容赦なくなったね」

「他に取られたくない」

『惚れます』

カァアアと顔を赤くしながら骨喰を見つめていると、ふわりと微笑まれた。

『ずお、私今日から耐えられるのかな』

「俺も取られたくないしなあ。
でもきつく縛るのも好きじゃないし…」

あれスルーしちゃった?

朝餉を食べ終わり、厨に食器を持っていった帰り、鏡を見に行った。

鏡の自分を覗くと、あの時熱湯がかかった右側が微かに赤かった。
これ、手入れしないと治らないやつか……。
でも…。

『…手入れ、ね…』

「あっおはよう雪ちゃん。
起きたんだね!」

『堀川君。
うん、おはよう』

堀川君が後ろからヒョコッと出てきた。
振り返って挨拶をすると、ジッと顔を見られた。

「痛い?」

『表情動かすとヒリヒリするだけだから大丈夫』

「そっか。
じゃあ僕は今日近侍だからまたね!」

『うん、頑張ってね』

(雪ー、あ、ここにいた)
(なーにー)
(薬研に薬もらったから行くよー)
(ばみは?)
(三日月さんに捕まった)

(……三日月、用がないなら戻っていいか?)
(あなや)
(三日月さん、同じ畑当番の一期さんが探してたよ)
(ほねばみさんをたてにしようとしたんですね)
(人聞きが悪いぞ、今剣)