はちじゅうご。 ページ43
「おや、珍しいな。
鯰尾や骨喰はどうした?」
『聞かないで下さい』
Aは、拗ねた顔で縁側に座っていると、三日月が隣に座った。
鯰尾と骨喰は、近侍と見習い付きとしてAから離れている。
因みに2人がAから離れて２日目だった。
「そういえばそうだったなぁ」
「鯰尾兄さん達、戻ってきた時凄く疲れた顔をしているんです」
「僕も国俊と一緒に4人とすれ違ったけど、骨喰の真顔が凄すぎた」
「土偶に負けないくらい真顔だったぜ」
「寝る前はもうずっと姉さんに引っ付いてるんですよ」
『どうにか出来ないかなぁ。
乱おいで〜』
「わーいっ」
Aは乱を膝の上でギュウッと抱きしめた。
「雪姉、ずお兄達いない内におめかしとかしない?」
『ええー…』
「Aは素顔で十分愛らしいがな」
「「「確かに」」」
『弟達が優しくて辛い』
ーーーーー
Aが弟達と遊んでいる中、鯰尾と骨喰は審神者部屋にいた。
中には審神者の神無、そして見習いの愛、そして古株の加州がいる。
「ちょっと見習い、聞いてる?」
「勿論です!
これを書けばいいんですよね!
あれ、でもこれ…」
「それは、この書類を見たらいいよ」
「主、これ聞かれるの三回目だよ」
「で、でも、大変なのは分かるし…」
「神無ちゃん優しい」
加州が手を焼く中、鯰尾と骨喰は終始つまらなさそうに眺めていた。
「俺たちいる意味あると思う?」
「思わない」
「それにあの見習い、骨喰の方チラチラ見ててすごく嫌なんだけど」
「審神者も相変わらずお前を見てるぞ」
「嬉しくない」
不意に骨喰は、側にあった小筆を使いいらない用紙にさらりと何かを書いた。
鯰尾も骨喰に促され、受け取った小筆を使って書いた。
描き終えたものを、骨喰は綺麗に折ると空いている窓に飛ばした。
2人は顔を見合わせて笑うと、散らかり始めた審神者部屋を片付け始めた。
ｶｻ…
(?)
ーつまらない。ー
ー雪の所に行きたい。ー
(ふふ、私も早く一緒にいたいなあ)
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作者名：せーら | 作成日時：2021年4月18日 22時
