こばなし。 ページ38
◉お酒
「酒じゃんじゃん持ってこーいっ」
『次郎様ー、お酌しますねー』
完全に出来上がっている次郎太刀にお酌するA。
本日は大晦日であり、全員年を越すまで騒ぐようだ。
「おーAじゃないかあ‼︎
あんたも一杯どうだい?」
『私お酒苦手なんですよ』
「なんでさーっ。
この美味しさが分からないなんてお子ちゃまなんだねぇ。
可愛いじゃないかあ‼︎」
『次郎様、暴れると折角のお酒が溢れますよ』
「次郎、お酒を取り上げますよ」
太郎太刀が次郎太刀を諫めている間に、Aは2人から離れお酌しに回った。
「おおA、俺にも酌してくれんか」
『三日月様結構飲んでますよね、酔わないんですか?』
「俺はまだいけるぞ?」
「なにいってるんですか、みかづきさま。
さっきぼくがふたりにみえるといっていたではありませんか」
『あ、駄目ですね』
「雪ー、早く戻らないと食べ物無くなるよー」
『今行く』
「Aさん、これ向こうの机に持っていくといいよ。
こっちはもうすぐ酒で潰れると思うから」
『ふふ、そうみたいですね。
ありがとうございます』
Aは石切丸に貰った食べ物の皿を持って片割れ達の側に戻った。
「遅かったな」
『次郎様が飲んでみろって』
「苦手なら飲まなくてもいい」
「それ何?」
『確か野菜のてりーぬ?って言うんだって』
「ふーん。
はい、あーん」
『あ、ん。
…んん、美味しい』
「はい、骨喰」
「俺もか?
…ん」
もぐもぐと美味しいと言わんばかりのオーラを出す骨喰に、Aは思わず笑ってしまう。
『んふふ、可愛い』
「癒されるなぁ」
『はい、鯰尾』
あーん、とAが鯰尾の口にテリーヌを持っていくと、鯰尾は一瞬固まった。
「あー、ん。
……うん、美味しい!
これなら人参入ってても食べられる‼︎」
『ぷっ…‼︎』
「ふっ…」
「笑ったなー⁇
おりゃー‼︎」
『いたっ』
「うっ」
「あははっ。
…また次の年も、みんな笑っていられたらいいね」
「俺たちが守ればいい」
『人間なんかに奪わせないもんね』
(こらお前たちっ、机がひっくり返ったらどうするんだい⁉︎)
(いち兄ー、私達頑張るから!)
(……ん?)
おまけ。
Aはお酒は飲めるが、味が苦手であまり飲まないようです。
鯰尾と骨喰も飲めるが多くは飲まないみたいです。
1番強いのは骨喰らしい。
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作者名：せーら | 作成日時：2021年4月18日 22時
