【刀剣乱舞】ずおとばみとゆきと ② (ページ29)

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ななじゅうさん。ページ29

太刀の心臓部に向かい刃を突き刺すと、その勢いのまま地面に縫いつけた。

グォアアアアアアッ

『っ』

太刀が消えて、Aは立ち上がり刀を抜いた瞬間、薙刀が襲いかかってきた。
咄嗟に防御したが、完璧では無かった為また壁に吹っ飛ばされてしまった。

ビシィッ

『くっ!』

受け身が取れず壁に激突し、吐血してしまった。

『ゲホッゲホッ…!
いったいなぁ…っ』

口元を袖で拭い、立ち上がった。
怪我は中傷になってしまった。

薙刀はさっきの太刀よりは冷静らしく構えている。
同時に走り出し、Aが振り上げた瞬間薙刀は獲物を横に振った。
刀の軌道を無理矢理変え、その薙刀を防いだ。

『少しは頭使えるのねっ…!』

Aは刃を受け流した後、体勢を崩した薙刀に対して蹴りを繰り出した。

ザクッ

刺さった感覚を感じたAは、離れた薙刀に向かい構えた。
薙刀の首元には暗器が刺さっていた。

それを抜き、癇癪を起こしたのか真っ直ぐに突っ込んできた。

『(血が騒ぐ…)

ーーーんふふっ、捕らえたっ!』

刃を交わして、本体を薙刀の首に向かって振りかぶった。

グォアアアアアアッ

先程の太刀と同じように声を上げた後消えていった。
本体を軽く振り払い、一息つく。

ズキッ

『いっ…!』

「誰かいるのか?」

『!』

痛みを感じ疼くまると、後ろから声をかけられた。
Aは反射的に振り向くと、若草色の着物を着た小柄な男がいた。

『…ぁ』

「怪我しているのか?」

Aは男の姿を見ると体が硬直してしまった。

ーーー…私、この人、……知ってる。

男はポカン…としたAの腕を見て、傷薬を塗り包帯を巻いた。
Aは何も喋らず、男の顔をずっと見ていた。
視線に気付いた男は彼女の顔を見て少し目を見開いた。

「これは、火傷か?」

火傷が残るAの顔に触れると、Aの目から涙が流れた。

「なっ、い、痛いのか…!」

『っ…!』

泣き出したAの姿にオロオロとする男。

「あっいた!」

「良かっt……⁈」

「この子の仲間か?」

「えっ、あ……」

「そうだ。
こいつが世話になったな」

探しにきた部隊が2人に近寄ると、全員小柄な男を見ると一瞬固まった。
が、すぐに冷静になった長曽根は羽織を着ている2人を影に隠してAを立ち上がらせた。

(いってぇ…⁉︎)
(何で僕たちだけ…!)
(その羽織で出れば危ないだろ…‼︎)ﾎﾞｿｯ