ななじゅうに。 ページ28
ーーー
『ボスマス来ましたね』
「はぁ早く帰って綺麗にしたい」
「これが終わったら帰れるんだ、しっかりしろ加州」
「長曽根さん…」
「これで誉を取れば、主に褒められるんじゃないか?」
『…、和泉守さん、堀川君。
偵察終わりました?』
Aは索敵をしている和泉守と堀川に尋ねると、和泉守は少し首を傾げた。
「近くにいるのは分かるんだが…何体いるかが分からねぇ」
「僕も」
『ふーん』
Aは気配を感じる方向を観察し始める。
「清光、静かにしないと人が来るでしょ」
「はいはい。
隊長ー、偵察終わった?」
「それが…」
堀川が説明しようとした時、遠くから弓矢の雨が降ってきた。
「全員伏せろ‼︎」
シュッ
バキッ
「最悪」
『少なくて良かったですね』
「いや、これでも結構な量だけど」
「来るぞ」
部隊の前に、大太刀が1振り突っ込んできた。
その刃を受け止めたのは長曽根。
その大太刀の後ろから、薙刀2振り、太刀3振りが襲いかかる。
「来いっ国広‼︎」
「うん‼︎」
「清光‼︎」
「分かってる‼︎」
土方組は太刀と薙刀1振りずつ、沖田組は違う太刀と薙刀を相手にしようとした。
しかし。
「待て‼︎」
「危ないっ安定‼︎」
「くっA‼︎」
沖田組に向かっていった薙刀が突然方向を変えて、残った太刀を相手にしているAの所へ行ってしまった。
大和守が追いかけようとしたが、長曽根と交戦していた大太刀が道を塞いでしまう。
「加州、大和守。
取り敢えずこいつらを片付けるぞ」
「うん‼︎」
「了解!」
ーーー
『うわっ⁈』
太刀と対峙していたAは、急に割り入ってきた薙刀に驚き距離を取った。
『元薙刀だから薙刀に好かれるのかな』
雄叫びを上げながら2振りが向かってきたのを見ると、Aは取り敢えず袖に隠している暗器を薙刀に向かって投げつけた。
少なからず距離を稼げたので、太刀を引きつけながら走り2振りの距離を更に広げた。
『怪我すると、兄弟が心配するからしたくないんだよね』
Aは太刀に振り向き、また走り出し一気に距離を詰める。
しかし太刀は一度刃を振り、Aを上に飛ばすと飛躍して向かってきた。
『わぁ意外と出来るんですね!』
上に飛ばされたAは途中で体を捻り、徐々に下降していくと同時に速度も上がると刀を構えた。
(でも私の方が強いから)
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作者名：せーら | 作成日時：2021年4月18日 22時
