【刀剣乱舞】ずおとばみとゆきと ② (ページ23)

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ろくじゅうなな。ページ23

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『……んぅ…?』

「ガゥ」

『…?
んひゃ!』

Aが目を覚ますと、目の前には白い毛に金色の丸い目が見えた。
訳もわからず混乱していると、それ…子虎はAの鼻先をぺろりと舐めた。

そして喉を鳴らしながらAに頭を擦り付けてくる。

『んふふ、かわいい…』

「グルルル…」

『甘えた君だねー』

子虎は大人しく撫でられていると、気持ち良さそうに目を閉じた。

『…!』

子虎を抱きしめた時、腰に何かが巻きついていることに気付いき、後ろを見た。
鯰尾と骨喰がAの背中に引っ付いて眠っていた。
Aは子虎を抱いて、体を後ろに向けた。

鯰尾と向かい合わせになり、骨喰は見えないが腕は鯰尾の後ろから伸びていた。

『…』

ジィ…と見つめるが目覚める様子は無かった。

そしてAはふと思い出す。
何故自分が寝ていたのか。

…明石さんから逃げて、そのまま寝ちゃったのかな。

頭に？を出しながら考えていると、子虎がまた頭を擦り付けるように動いたので、Aは首を撫でた後、潰さないように鯰尾に抱きついて再び眠ってしまった。

ーーーーー

フニフニと頬に違和感を感じてAは目を開けた。

ぼんやりとしていると、少し開いた唇に何かが触れた。

『んっ……ぁっ…!』

「…ん、…起きた?」

『…鯰尾』

触れていた唇を少し離して鯰尾はAを見つめた。

『んんーっ』

「あははっ痛い痛い」

顔を隠すように彼の胸元に抱き付いたAは、骨喰が戻ってくるまでずっと引っ付いていた。

「雪、起きたのか」

『んー』

鯰尾に抱きつきながら骨喰に向かって手を伸ばすと、骨喰はその手に触れた。

「もうすぐ夕餉だが行けるか?」

『大丈夫。
そういえば子虎は?』

「俺が起きた少し後に五虎退の所へ行った」

『そっか』

Aは体を起こして、まだ寝転んでいる鯰尾の上に雪崩れ込んだ。

「うへえっ」

『変な声ー』

3人で戯れあっていると、部屋に蛍丸が訪ねてきた。

「あ、A起きてる」

『蛍ちゃんだー。
どうしたの?』

「また国行がちょっかい出したみたいだからさ」

『蛍ちゃんが気にすることないよ』

Aは蛍丸の頭を撫でた。

「何か明石さんが保護者じゃなくて蛍丸が保護者になってるよね」

「そうだな」

『蛍ちゃんしっかりしてるもんねー?』

(…皆、ご飯出来たよ)
(あ、叔父さん)
(じゃあ俺行くね)
(またねー)