【薄桜鬼】響恋唄 (ページ9)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:9,530 hit

＊漆夢ページ9

斎藤もまた、蝶子を一目見た瞬間「美しい女性だな」と思っていた。

服装よりも、斎藤は蝶子のそのきらびやかで凛とした、

大和撫子のような雰囲気に見惚れていた。

桜色のふわりとしたストレートの長髪に、ダークパープルの透き通る瞳。

そしてトレンドマークの蝶のピン留め…

桜のように美しく、清らかで、儚げな蝶子に斎藤は一目惚れしていた。

もっとも、蝶子に“一目惚れ”したなんて鈍感な斎藤は気づくすべもないのだが。

斎藤が蝶子に一目惚れしたことに気づくのも…

まだ遠い遠い彼方のお話。

蝶子と斎藤の運命の赤い糸が交わった瞬間に、二人はお互いの気持ちにいつか気づくだろう。

芽生「(このようなヘタレ男に蝶子は渡しませんわよ…！！)」ﾒﾗﾒﾗ

斎藤「…？」

芽生の殺気に、斎藤は妙な恐怖感を感じていたのだった。

土方「おらよ。お前もこれ着てろ。」ﾊﾞｯ

芽生「わっぷッ!」

芽生「まぁなんて愛想のないお方ですの！大体貴方は優しさがたりないんです。

　人を想う気持ちとか＿＿＿＿」

土方「ﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟｰうるせぇなぁ。こっちは寒い思いまでして見ず知らずの女に

　こうして羽織借してやってんだ。ありがたく着とけ。」

芽生「“借してやってる”ですって！本当に愛想の一欠片もない方ですのね！

　まぁいいですわ。今回はありがたく着といてあげます。」

土方「ｹｯ…愛想のねぇやつだな。」

芽生「あら、それはお互い様じゃないないですの？

　それに私は貴女よりかは愛想があると思いますけど？」

土方「んだと！」

「「ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ」」

火花を散らし合う二人。

出会ったばかりなのにこの意地の張りよう。

蝶子と斎藤のように、芽生と土方もどこか似ているようだ。

意地を張るところや、言いたいことははっきり言うこと、そして上から目線なところ…
　

そして一人だけぼっちな沖田は…

沖田「(´・ω・｀)」

「僕に寄り添ってくれる女の子はいないんだね…」と一人ぼっち感を味わっていた。

冷静沈着に足をクールな斎藤と蝶子。

屯所に向かいつつ言い合いを続ける土方と芽生。

その様子を一人寂しく見物する沖田。

これからの未来が楽しみだ。