【薄桜鬼】響恋唄 (ページ15)

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＊拾参夢ページ15

芽生「あぁ、それと。」

部屋のふすまに手をかけたところで、ふいに芽生が後ろを振り返る。

芽生「貴女は可愛いわ。それに、桜のように儚くて、清らかで、美しい…

　だから、その着物は貴女にピッタリだと思うの。」

芽生「もっと、自分に自信を持ちなさい。」

ﾌｯと柔らかく微笑むと、

「私、袴というものを着たことがありませんの。千鶴ちゃん、着方を教えていただけるかしら？」

と言い二人で隣の部屋へと移った。

桜柄の着物を手にしながら、唖然と立ち尽くす蝶子。

自分に自信を持てと言われても…

私はあまり人前で女物を着るのは好きじゃない。

というか、どうせ私には似合わない。

お母様が私のためにと買ってきてくださった高級な服も、手つかずのまま。

可愛いものはもちろん好きだ。

でも、私にはそんなもの……

しばらくの長い間、そんなこと考えていると芽生がいる隣の部屋から声がした。

芽生「蝶子ー？あけますわよ～」ｶﾞﾗｯ

蝶子「！」

芽生「まぁ、まだ着ていませんの！？蝶子が着ないのなら、無理矢理脱がせてでも…」

蝶子「い、い、い、いや大丈夫だ！自分で着れるから！すぐ着がえるから、先に行ってくれ。」

芽生「あら、残念。…誰か怪しい者に襲われそうになったら叫びますのよ。

　そうしたら私がすぐにぶちのめしに行きますから。」ﾆｺｯ

蝶子「お、おう(可愛い顔してｻﾗｯと怖いこというな～…)」

芽生「さ、お先に千鶴ちゃん行きましょう。皆がいるところへ連れて行ってちょうだい。」

千鶴「はっ、はい！」

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀと芽生の後ろを追いかける千鶴。

立場逆じゃね？と思いながらも、蝶子は温かな目で二人を見送った。

皆がいる場所は千鶴(勝手に頭の中で呼び捨ててるだけ)に教えてもらったし、

さっさと着替えて私も行かないとな。

　