【薄桜鬼】響恋唄 (ページ14)

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＊拾弐夢　ページ14

トリップ前にいた時代の話。

芽生が勉強会という目的で蝶子の家に遊びに行ったときのことだ。

インターホンを押しても誰も出ないので、芽生は不思議に思った。

「親は仕事でいない。それで家に一人だから、勝手にあがってくれて構わない」

と蝶子が言っていたので、ドアに手をあけた。

「お邪魔します」と小さな声で呟き、ひそかに家に入った。

そして蝶子のいる部屋に向かい、ドアを開けた。

すると、そこには＿＿＿

蝶子「えっ、あっ///」

フリルにリボンがついた、可愛らしいパーカーワンピを着た蝶子がいたのだ。

芽生は一瞬驚いて目を見開くが、

瞬時にポケットからスマホを取り出し無言でシャッターを押した。

…その後、蝶子に何度も消せと言われたが消すことはなかった。

…そして現在。

蝶子「だ、だ、だ、だ、だ、だ、ダメに決まってるだろ！

　そっ、それよりその写真今すぐ捨てろ！誰かにバレたらもともこも…！」

芽生「あら。これでも私、貴女と付き合いが長くてよ？

　そう安々と私が見知らぬ誰かに見せるとでも思いますの？」

蝶子「うぐっ…そ、それは…」

芽生「なら決定ですわね。蝶子、貴女にはこっちの桜柄の着物を着てもらいますわ。」

千鶴の手から柔らかく着物を受け取り、蝶子の手へと運ぶ。

芽生「それに、私は弓使いですもの。袴の方が動きやすいですわ。」

蝶子「……はぁ…わかった。」

芽生「ではお先に。」

芽生とのすれ違いざまに蝶子はこう思った。

“芽生を敵に回したら危ない”、と。

どうせ私がこんな柄でもないもん着たとこで、痛い目で見られるだけだと思うんだが…