【薄桜鬼】響恋唄 (ページ13)

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＊拾壱夢ページ13

芽生「じゃあ、私はこの綺麗な水色と青色の袴を身にまとわせていただきますね。」

そう言って、千鶴の手から手軽やかに袴をとる芽生。

すると、蝶子がふいに口を開いた。

蝶子「ちょっ、ちょっと待て！」

芽生「！なんですか蝶子。いきなり声を荒げるものだから、少々びっくりしましたよ。」

蝶子「す、すまない。だが…何で芽生がその袴を着るんだ…？」

どこか焦りをみせる蝶子の姿に、芽生は少し不思議に思ったがすぐに察した。

芽生「はぁ…貴女の男装癖には毎回呆らされますからね。」

溜め息をつき、言葉の通り呆れた表情で蝶子をみつめる芽生。

…芽生の言う、“男装癖”とは。

蝶子は普段からお洒落をあまりしないそうだ。

いや、“しない”というよりも自分には女物は似合わない…と決めつけているらしい。

スカートやフリルと言ったものが苦手で、

休日はいつもパーカーに黒いズボンといったラフな格好らしい。

そんな蝶子を数年見てきた芽生は、心の底から呆れかえっていた。

蝶子「めっ、芽生にはこっちの女らしい着物の方が絶対似合う！！

　そ、それに着物なんて歩きづらいじゃないか。だから＿＿＿＿((芽生「蝶子」

ｽｯと、芽生が胸元から何かを取りだした。

近くにいる千鶴も蝶子も？マークを浮かべている。

すると芽生はﾆﾔｯと口角をあげ、蝶子の耳元に寄る。

芽生「…この写真を千鶴ちゃんや昨日の男性方に見せびらかしてもいいと言うのなら、

　袴を差し上げても良いですのよ？」

蝶子「ッ!!それはッ！」

芽生がようやくその正体を蝶子に見せた時、

蝶子はとてつもなく焦っていた。