とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ9)

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一期一振は神室を抱きかかえて、自分の膝の上に彼女の頭を乗せて寝かせた。

｢すまない、一期一振。｣

｢いえ、私がこうしたかっただけなのです。｣

一期一振は神室と兄弟を重ね合わせた。

｢可愛らしいですなぁ｣

彼が神室の頭を撫でた時、神室の髪に一片の花弁が落ちる。

あの一本桜から舞ったものであろう…

いや、違う。

｢一期、一振…｣

彼の桜が舞っていたのだ。

｢おい、アンタが桜散らしすぎるからこいつの顔が桜まみれだぞ｣

｢えっ？｣

この後急いで桜を払ったという。

｢あれ？こんなところに、おおくりからといちごひとふりさんがいるー！｣

｢この声は、今剣殿ですな！｣

神室が目を覚まし、持っていた紐を結って3人であやとりをしていたところだった。

｢あったりー！…そこにいるかたはもしかして…神室！？｣

｢な、なんで私の名を知ってるんだ！？｣

すると今剣は質問には答えず、代わりに飛びついてきた。

｢神室ー！ずっとあいたかったんですよー！｣

｢えっ、え！？｣

自分の事をまるで知っているかのような今剣に、神室は驚きを隠せなかった。

｢た、助けて大倶利伽羅…｣

手を伸ばすと、彼は口を開く。

｢今剣、そいつは確かに宗近の名が刻まれているが、刀としての自覚はない。｣

すると残念そうな声が聞こえる。

｢そ、そんな…やっと、あえたのに…｣

神室はなんだか放っておけなくなり、今剣を抱きしめた。