とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ19)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:19,493 hit

19 ページ19

｢そうだな、お前達が外へ出てから、燭台切光忠を救出するまでだな。｣

神室は、どこかで聞いた『三日月』という言葉を思い出すのに必死だった。

｢手を出して悪かったな。ちと、こちらで話をせんか？｣

すると、薬研は普段の涼しい顔で

｢いいだろう｣
と返事をする。

少年から低い声が放たれ、静けさの中に響き渡った。

｢三日月、戻ったか…これは！神室！｣

｢ちと、我慢してくれ…｣

と言うと、三日月は神室の襟元を緩め、鎖骨に彫られた銘を確認する。

｢やはり、そなたは俺たちの妹だ。｣

｢あ！思い出した！｣

神室は白い空間でも出来事を思い出す

『三条ということは、小狐丸殿や三日月殿の妹君ですな！』

｢私の兄に当たる存在…｣

すると、小狐丸が擦り寄る。

｢やはり昔から変わらぬ“うつくしさ”を持つなぁ、神室よ｣

｢薬研、先程は荒手な真似をして本当にすまなかった。許してくれるか？｣

｢まぁ、旦那方にも事情があったんだろ？気にしないでくれ。｣

すると、三日月は袖で口元を隠す

｢お前は物分りの良い男だな｣

｢ただし、大将には手を出さないでくれ。俺にもよく分からんが、神室が人間だった頃の姉なんだ。｣

すると、三日月は目を細める。

｢…そうか。あいわかった、約束しよう。｣