とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ2)

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｢…っクソ、あの汚ぇ野郎共。姉上に触りやがって…｣

重傷の身体を引きずりながら、腕に巻いてあったサラシで器用に止血する神室。

だが血は止まらなかった。

そこへまた足音がした。

｢おいおい、冗談だろ…｣

目の前には一人の男。だがこの男は着物ではなく、洋服を着ていた。

｢…！大丈夫ですか！？｣

｢…なんだ、役人じゃないのか。｣

もう話すだけで神室の口からは血が溢れる。

｢お兄さん、私はもう無理だよ…。急所を突かれた…あぁ、姉上のこと、護れなかった…｣

小太刀を握りしめ、涙を流した。

｢Aさんは…攫われたのですね。｣

神室からは返事がない。意識が朦朧としている。

｢しっかりしてください！あぁ、こんな時に限って…！｣

すると、笑う声がした。

｢いいんだ、お兄さん。私はもう助からない。だから、お願いがある。この小太刀を売って、姉上を…身請けして…｣

｢そんな…！｣

｢…は、やく…｣

そこで神室の生は途切れた。

｢…どうして私は、こんなに無力なんだ…少女1人を救うことも出来ないなんて…｣

この男、実は時の政府の公務員。

学歴は良いが、医療に関しては疎かった。

｢…君のお姉さんは、今頃私の仲間が救っているよ…｣

男は預けられた小太刀を握りしめる。

｢この小太刀は売ったりなんかしないさ…。君のお姉さんに届けるよ｣

男は裏山の花畑まで神室を抱き、彼女をそこに埋めた。

｢安らかに…お眠りください…｣

そっと手を合わせた。