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────時は幕末
「姉上、大丈夫だよ。こいつらは私が倒す。」
「神室!…お役人様、私はどうなっても構いんせん。どうか、この子だけは見逃しておくんなまし…!」
無銘刀の小太刀を構える妹は、花魁の姉を連れていこうとする汚い男達を睨む。
「お嬢ちゃん、大人しくお姉さんを渡しな!そうしたら嬢ちゃんにはこれをやろう!」
そういって男達は、50両を目の前に出す。
「神室、私のことは構わず、受け取りなんし。」
すると妹…神室は表情一つ変えず、刀を鞘に収めた。
そして、両の入った箱を持ち上げる。
「そうそう。物分かりの良いお嬢ちゃんだ。」
一人の男が姉…Aに触れようとした瞬間、両の入った箱を投げつけた。
Aは目を瞠った。そして男達が抜刀し、妹に襲いかかる。
「ってぇ!何しやがるこのガキ!」
「うちの姉は、そんな安い人じゃない。うちの姉は、金なんかじゃ買えないんだよ!」
そう言い放ち、瞬時に小太刀を抜き、男達を倒していく。
「神室!避けなんし!後ろ!」
既に捕えられてしまったAは、神室を直接助けることができなかった。また、男達にとって、余計なことを口にしたため、平手打ちされる。
「…ううっ!」
胴体の中心を射貫かれた。神室は膝から崩れ落ちた。
「神室っ!嫌…神室!!」
血が広がり、妹は動かない。
「大人しく来い!このアマ!」
「嫌…!神室!」
Aは汚い男達によって、また花街に閉じ込められてしまうことになる…
はずであった。
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小枝(プロフ) - あーさん» ご愛読ありがとうございます^^* (2019年5月12日 15時) (レス) id: 8af81dc1b3 (このIDを非表示/違反報告)
あー(プロフ) - とても面白いです^^*。更新待ってます!頑張ってください!! (2018年6月6日 11時) (レス) id: 9daba1a21a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小枝 | 作成日時:2017年8月4日 1時