【ハイキュー!!】先輩。俺、弟じゃないんで【国見英】part3

離さないで * ページ28

翌日、土曜日＿＿...









この日、部活が終わると英はすぐに来てくれた。









いつも面会時間ギリギリまで居てくれるけど...









あ「...英、暇じゃないの？」









国「全然。


俺はAさんとこうして居られるだけで満足だから」









そう言って微笑む英は本当にカッコ良くて。









ああ、好きだなって









改めて思う。









と言うか、逆に僕何で今まで気付かなかったんだろう。









こんなに惚れてることに。









国「何に？」









あ「...え？」









そっと手首を掴まれ、引き寄せられる。









あ「...っ！」









国「何に惚れてることに、気付かなかったの？」









まっすぐ見つめられ、思わず目を逸らす。









国「Aさん」









僕の名前を呼ぶ英の声は、やけに耳に響いて。









もう、今しかないと自分に言い聞かせた。









あ「...今まで、ずっと一緒に居た人だよ。


隣に居るのが当たり前で。



弟みたいだと思ってた人」









僕は顔を上げ、英と目を合わせる。









国「それ、って...」









あ「遅すぎるよね。

本当は気付いてたのに、自覚持ったら今の関係が崩れちゃう気がして...

ずっと、逃げてた」









でも...もう、いいや。









あ「...英、好きだよ」









僕の英に対する想いを、何の飾り気もなく素直に伝える。









次の瞬間、僕は英の匂いに包まれた。









壊れ物を扱うように、優しく抱き締められる。









国「...やばい。


俺、すごい幸せだ...」









夢みたい、なんて呟く英に、夢じゃないと伝えるために英の背中に手を回す。









国「...俺だって、好きだよ。

俺は昔から、Aさんに惚れてたんだから。


...大好き」









僕を抱き締める腕に、力が入った。









国「...離したくないな。


やっと、両想いになれたのに」









そうだ。









僕がここに居られるのは、あと1日だけ。









想いが通じあっても、すぐに離ればなれになる。









あ「...なら、離さないで」









少しだけ、我が儘言ってもいい？









あ「あと少ししかここに居られないけど...


それまで、ずっと英と居たい」

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