【ハイキュー!!】俺がバレーをする理由【男主】

第3話 ページ5

西谷さんは中学の時、同じバレー部だった。あの人のレシーブは、今でも頭に焼き付いている。



バレーにかける想いは熱いのに、何故か俺がバレーをすることを否定しなかった変わった人だ。





その代わり、やたらと絡んできたけど。






月「…A。いつまでボーッとしてんの」


山「もう終わったよ〜？」




あ「え、マジで？」




どんだけ記憶辿ってたんだよ、俺。





あ「中学の先輩の事思い出してた」


山「え、好きな人とか？」





どっからそういう発想に繋がるんだ。





あ「そうじゃなくて、同じ部活だった変わった人の事」


月山「変わった人？」


あ「おう。とにかく元気で、色々変わってる。…まぁ、嫌いにはなれない感じだったけど」





あんなに煩いのに何でだろ…なんて、考えるまでもないか。









あ「……帰るか。二人、家どっち？」


山「俺とツッキーはあっちだよ！」


月「山口うるさい」


山「ゴメンツッキー！」





何？お前ら何かコンビでも組んでんの？





あ「同じ方面だな。一緒に帰っていいか？」


月「それ、聞かないと分かんないの？」


山「A君なら大歓迎だよ！」





あ「そりゃどうも。じゃあ帰ろうぜ」









それから、他愛ない話をしながら一緒に歩いていた。





あ「なぁ、二人は部活とかやんの？」



山「俺達はバレー部だよ！もう入部届けも出してあるんだ！A君は？」






バレー、ね…。






あ「…俺は帰宅部かな。放課後は用事あるし。つか忠、君付けいらねぇよ」






山「え…じゃあ、A……くん。今日は用事いいの？」






あ「言えてねぇじゃん。用事は…放課後なら何時でも問題ねぇから大丈夫」






月「……」


あ「蛍？どうしたんだよ」






月「……どうやってAをバレー部に入れようかと思って」






あ「…強制は良くねぇぞ。何時でも問題ねぇとは言ったけど用事がないとは言ってねぇだろ」







山「ツッキーはA君ともっと仲良くなりたいんだよ！」


月「山口うるさい」


山「ゴメンツッキー！」






…え？二回目？


つか蛍、否定しねぇのな。





あ「蛍って意外と可愛いヤツだな…」



月「ちょっ、可愛いとか男に言わないで、頭撫でるのヤメテ」






満更でもなさそうな顔してよく言うわ。







あ「気が向いたら、な。見学ぐらいならしてやるよ」






俺がそう言うと、蛍は少しだけ嬉しそうに顔を緩めた。

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