第22話 ページ24
田「え、二人知り合いか?」
西谷さんはそんな田中さんの言葉を無視してズンズンと俺に近付いてくる。
ああ、嫌な予感しかしねぇ。
西「A!!!お前、何でバレー部辞めたんだよ!」
「「「は…?」」」
あ「…別に理由なんて「あんだろ!!?」…無いです」
西「なんだ、俺に言えねぇような事なのか!!?俺に頼れって言ったじゃねーか!!!」
そうだ。
アンタはそういう人だったな。
中学で、唯一俺を認めてくれてた人。
あ「…西谷さんが引退してから…一気に俺の世界が色褪せた。自分が何の為にバレー続けてるのか、分からなくなった」
暴言の日々。
どいつもこいつも、見るのは"表面"ばっかで。
俺自身を見てくれる人なんて、一人も居なかった。
あ「西谷さんが居なくなって、ようやく気付いたんです。"そうだ、俺は必要ねぇんだ"って」
俺のプレースタイルの意味には西谷さん以外誰も気付かない。
勝手に俺の実力に期待したくせに、ウチが負ければ全部俺のせいにする。
「お前が最初から全力を出してたら」
「お前が真面目にやらないから」
「やる気無いくせにバレー続けんじゃねぇ」
とかな。
ホント、ふざけんなって思ったよ。
あ「俺、嫌になったんですよ。アイツらの自己満足の為に、アイツらに尽くすのが。もう俺自身を見て、認めてくれる人は居ない。……アンタは、居ない」
俺はそんな場所に居たくなかった。
例え"逃げた"って思われても。
なのに…
「お前何考えてんだよ!」
「大会前なんだぞ!!?」
「お前のスパイク無しじゃ…!」
心底腹が立ったよ。
大会前?俺のスパイク無しじゃ勝てない?
そんなの俺の知ったことかよ。
あ「もう俺には関係ない事、そう思って辞めた。…大した理由じゃないですけどね」
西「…んで…」
あ「…西谷さん…?」
西「何で…俺に言わなかったんだよ!」
なぁ、西谷さん。
何で、アンタがそんな苦しそうな顔してんだよ。
あ「…何で、でしょうね。俺にも分かりません。ただ言えるのは…」
西谷さんには…
あ「アンタにだけは、迷惑かけたくなかった」
そう言った次の瞬間…
ガッと音をたてて、胸ぐらを掴まれた。
西「ふざけんな!!!」
239人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おれんじ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです! (2016年7月23日 20時) (レス) id: 249793c7a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめーるん - この小説凄くいいです!あ…あと、すみません…イメ画が見れないデス…すみません…あ、更新頑張ってください…! (2015年11月6日 0時) (レス) id: 05c8f163db (このIDを非表示/違反報告)
minori♪(プロフ) - この小説最高です(*´∀`*)ツッキーカッコイイ!これからも頑張って下さい♪楽しみにしています (2015年9月16日 19時) (レス) id: fc9269d5d6 (このIDを非表示/違反報告)
月葉(プロフ) - やばい感動!!そして安定のツッキーイケメン!!!最高です!頑張ってください!! (2015年8月17日 20時) (レス) id: 1e1c7e4592 (このIDを非表示/違反報告)
るる丸。 - いいですね、更新頑張ってくださいね! (2015年7月19日 4時) (レス) id: 623f1b6ad6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*雛菊* | 作成日時:2014年12月22日 0時