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《過去編5》 * 国見side ページ22

試合が終わってから、A先輩の姿が見当たらない。


同じチームの人に聞いても「知らない」の一点張りだったから、探すことにした。





それにしても今日の試合...





国「なんか、変だったな...」




前までの連携が全く無かったって言うか...。


何より、先輩のプレーが俺の知ってるものと違った。




国「なんだ、この違和感......」




早く見つけないと。


直感的にそう思った俺は、ひたすらA先輩を探すも、なかなか見つからない。



何処行ったんだよ...!







それから、しばらく時間が経った頃、ようやく見覚えのある背中が見えた。


肩より少し長い銀色の髪を、ポニーテールにしている。





国「!A先輩!やっと見つけた...!」



そう声を掛けると、ゆっくりと俺の方を向く。




あ「英......」




俺の名前を呼ぶ声は、震えていた。





国「先輩...?泣いてるんですか......?」





先輩が泣いてる所は初めて見たから、動揺が隠せなかった。





あ「英...



痛い、よ...。




何で...?ねぇ......!」





様子がおかしい。







国「先輩...?落ち着いて...!」






心なしか、先輩は呼吸も乱れてきてる気がする。








あ「痛い...痛いよ......!」




初めは足の事を言ってるのかと思った。


けど、それだけじゃない気がする。








少しの沈黙の後、先輩は顔を上げて言った。






あ「ねぇ...英...。








仲間って、なに......?」







そう問い掛けてくる先輩の目に、光は無かった。







国「先輩......?」






色々声を掛けるも、反応は無い。









あ「英...









助けて......」



国「!A先輩!!?」


弱々しく俺にそう告げると、まるで糸の切れた人形のように崩れ落ちた。




咄嗟に支えるけど、既に先輩の意識はない。







『英...助けて......』






この言葉が、頭の中でずっとリピートされる。





国「ボソッ))何にそんなに追い込まれてるんですか...?」




そう呟くも、今の先輩に俺の声は届かない。





とりあえず医務室に運んで...大翔さん呼ぶか。









ガラッ



大「Aッ!!!!!」



医務室に入るなりそう叫んだのは、A先輩のいとこの大翔さん。



国「今は意識を失ってます」



大「何があったってんだ...?

とりあえず病院連れてくぞ」


先輩の足の傷を見て、顔を歪めながらそう言った。



前に見た時より、明らかに傷は酷くなっていた。

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*雛菊*(プロフ) - まっ赤な死兎さん» 仲間ですね!僕も国見ちゃん大好きです♪ストーリー的に今は国見ちゃん出せないとこなんですけど、これからも宜しくお願いします! (2015年2月2日 16時) (レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)
まっ赤な死兎 - 私国見ちゃん大好きなんです。(o^^o)だから楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください。 (2015年2月2日 0時) (レス) id: 1013d42cb6 (このIDを非表示/違反報告)
*雛菊*(プロフ) - くにみん☆さん» ですよね(^_^;)町内会チームとの試合が終わったので、そろそろ無理矢理にでも出そうと思いますwwありがとうございます! (2014年12月13日 12時) (レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)
くにみん☆ - 国見ちゃん空気ですねwww更新がんばってください (2014年12月13日 12時) (レス) id: 6cca70617b (このIDを非表示/違反報告)
*雛菊*(プロフ) - 心葉さん» そうなの?wありがとー!頑張って書くぜ(`・ω・)+ (2014年11月26日 20時) (レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*雛菊* | 作成日時:2014年11月24日 15時

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