《過去編2》 * 国見side ページ19
保健室＿＿＿
とりあえず手当てをしようと、先輩のソックスを脱がす。
すると、露になったのは＿＿＿＿
今も血が出ている生々しい傷と、過去にも同じことがあったと分かるような無数の傷跡だった。
国「なんで...こんな事に...」
あ「僕、部員の皆に嫌われてるからさ」
サラッと言い切った先輩。
あ「1年の三学期にはもう嫌われてたよ。
同級生からも...先輩からも」
国「A先輩は誰かに嫌われるような事する人じゃ＿＿＿」
あ「『天才』って言われて...」
俺の言葉を遮るように、そう言った。
あ「1年でベンチ入りしてたってだけでさ...」
国「...嫉妬、ですか」
確かにA先輩は1年で唯一ベンチ入りできるほどの実力がある。
上級生と替わって試合に出ることも珍しくはなかった。
でも、先輩がそんなことできたのは、それだけの努力をしたからだ。
そんなA先輩の努力を『天才』の一言で片付けるなんて...
そう思うと、無性に腹が立った。
あ「最初は小さい嫌がらせだったんだけど...
どんどんエスカレートして、先輩が引退して僕らの代が一番上になってからは、今日みたいなことが出はじめたんだ」
もう何度目か分からないけど、と苦笑する先輩。
あ「僕がバレー大好きだから、出来ないようにしたいらしいよ」
だから、こんなに足に怪我させてるのか。
国「...先輩。しばらく練習ダメです」
あ「いや、やるよ」
即答でそう切り返された。
あ「アイツらの思い通りなんて、絶対に嫌だし」
国「でも...足、壊れますよ」
俺がそう言うも、その時はその時だって。
あ「何をされても、絶対折れない。
そこで折れちゃったらさ...
なんか、負けたみたいじゃん？」
先輩は、負けることを極端に嫌う。
何より、自分に負けるってことを。
国「...無理だけは、しないように」
先輩は自分の意思は絶対と言っていいほど曲げないから、何を言っても無駄だと思った。
.
.
.
でも、この選択が間違っていたなんて、その時の俺は気付かない。
.
数ヶ月後＿＿＿
北側第一女子バレー部は、県予選の決勝まで上り詰めていた。
俺はA先輩が試合するのを観に来ていた。
お互いの選手が整列して、挨拶をする。
そして、試合開始＿＿＿
俺は何も気付かないまま、先輩の、悪夢へのカウントダウンが始まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*雛菊*(プロフ) - まっ赤な死兎さん» 仲間ですね！僕も国見ちゃん大好きです♪ストーリー的に今は国見ちゃん出せないとこなんですけど、これからも宜しくお願いします！ (2015年2月2日 16時) (
レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)
まっ赤な死兎 - 私国見ちゃん大好きなんです。(o^^o)だから楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください。 (2015年2月2日 0時) (レス) id: 1013d42cb6 (このIDを非表示/違反報告)
*雛菊*(プロフ) - くにみん☆さん» ですよね(^_^;)町内会チームとの試合が終わったので、そろそろ無理矢理にでも出そうと思いますwwありがとうございます！ (2014年12月13日 12時) (レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)
くにみん☆ - 国見ちゃん空気ですねｗｗｗ更新がんばってください (2014年12月13日 12時) (レス) id: 6cca70617b (このIDを非表示/違反報告)
*雛菊*(プロフ) - 心葉さん» そうなの？wありがとー！頑張って書くぜ(｀・ω・)+ (2014年11月26日 20時) (レス) id: 986e610f5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*雛菊* | 作成日時：2014年11月24日 15時
