【ヒロアカ】似た者同士のその二人、取扱いにご注意を。 (ページ12)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:21,148 hit

取扱注意。10 ページ12

塚「随分荒れてるね」

保健室から出て少し歩き、曲がり角に差し掛かった所で背後から声を掛けられる。

振り返ると、そこには昔から見知った顔があった。

貴「別に。これがいつも通りだよ…塚内さん」

塚「Aちゃんは嘘つきだなぁ。探したよ」

何故私を探していたのか見当は付いてる。

大方ヴィランについて何か情報は無いか、そんなところだろう。

貴「……ね、塚内さん。やっぱり内通者なんかじゃなかったよ。父さんは」

塚「…ああ。俺は最初から二人を疑っちゃいないよ」

貴「攫われた瞬間はこの目で見た。今回現れたのはその時のヴィランで……」

主犯格との会話を頭の中でリピートする。

貴「……父さんも母さんも殺したんだって。使い勝手が悪いって理由で」

塚「…そうか。3年経っても帰って来なかったのは……」

貴「……これでも、警察は信じてくれないのかな。私っていう目撃者が居る。ヴィラン本人の証言もあった。それでも……父さんは、機密情報を持って敵に寝返った警察の恥晒しって言われるの？」

塚「…………」

父さんは刑事部の捜査一課で、捜査一課長として働いていた。

通常の捜査一課長とは違って、どんどん前線に出るタイプで、周りの人間からもすごく慕われていた。

でも、そんな父は母と一緒に姿を消した。

階級で言えば警視正。

そんな階級の人間が突然姿を晦ましたとなれば、そりゃあ信頼もガタ落ちだろう。

母さんは普通の一般人だったけど、昔その個性を狙ったヴィランに騙されていることに気付かず、そっち側の人間になりそうだったらしい。

そのせいもあってか、やはりヴィランの人間だったのでは？そんな噂も流れ始めていた。

貴「……ま、こんな話されても困るか。でも…」

塚内さんの顔色を伺うように視線だけを動かす。

貴「塚内さんは…アンタにだけは、味方でいてほしいな」

塚「当然だろ？……絶対、捕まえような。死柄木弔…いや、ヴィラン連合」

彼の言葉に、私は静かに頷いた。

塚「じゃあ。また後日協力してもらう事になるけど…」

貴「私さ、やっぱりヒーローじゃなくて警察になろっかな」

塚「雄英にまで入っといて何言ってるの。知久さんと領華さんの夢叶えてやろうよ」

貴「父さんが警察で、私がヒーロー。一緒に事件を解決して母さんが待つ温かい家庭に帰るってやつでしょ」

まぁ、もうその夢は叶わないけど。

爆「………っ」