【ヒロアカ】似た者同士のその二人、取扱いにご注意を。 (ページ11)

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取扱注意。09 ページ11

貴「………っ！！」

切「ぅおっ！」

貴「った…」

切「あ、悪ぃ大丈夫か！？」

目を開けて反射的に起き上がると、額に強い衝撃が走る。

目の前に熱血漢の顔がある事から、コイツの額にぶつかった事が分かった。

貴「……何でアンタが居るの」

切「俺が運んだから様子見てたんだよ。範國ずっと寝てっからさ」

貴「寝てた、って……ヴィランは！？」

確か……

あの時、急に意識が飛びそうになって。

次に気が付けば目に入ったのは熱血漢の顔と白いシーツ。

保健室に居るという事は、少なくともあの一件が治まったという事。

切「……先生たち…プロヒーローが駆け付けたけど、ギリギリんとこでヴィランには逃げられた」

貴「…………」

切「…なぁ、中学の時、範國が急に変わったのって親御さんがヴィランに攫われたからか？」

貴「……アンタには、関係ないだろ。あと縮れ毛、盗み聞きとか舐めてんの？」

緑「ヒッ…ごめんなさい……！！(起きてるのバレてる！)」

ギロッと睨み付けると間抜けな顔をして震え上がる。

さっきヴィランに突っ込んで行った奴と同一人物とは思えない。

私は呆れたように溜息をつき、ベッドから下りる。

切「範國？」

貴「寝てるだけなら別に様子見する必要もないし、どうせクラスの方は解散してるんでしょ。帰る」

緑「の、範國さん！待って！」

顔だけそっちに向けると、何か言いたげな目と視線がかち合う。

その目を見て、これから何を言い出すのか、何が言いたいのかを瞬時に悟った。

緑「…ご両親の事とか考えると…ヴィランを許せない気持ちは、分かる。僕なんかじゃ計り知れない、けど…その、昔何があったかとか…良かったら、誰でも良い。少しでも話し、」

貴「っるさいなあ…」

私の低い声に、二人の肩が揺れる。

私を心配そうに見つめる、その目が

腹立たしくて仕方なかった。

貴「ずっと言ってるよね…爆発頭だけに限らず、アンタらにも……私のテリトリーに入ってくんなってさぁ！一番迷惑なんだよ、そういう人の嫌なとこに付け入るような余計なお世話って」

私の抱えるものなんて、知ってどうする。

言ったところで何が変わる。

両親が返ってくる訳でもない。

何も出来ないくせに、どうしてこっちに踏み込もうとする？

貴「…これだから嫌なんだよ」

聞こえない程小さな声でそう呟き、私は保健室を出て行った。