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知 念side
「ゃ……っ、やぶぅ……。」
「……絶対に認めないぞ!!」
僕の左腕にしがみついたままのいのちゃんと
僕の右側に仁王立ちする宏太。
……僕を挟んで、父親と娘の親子喧嘩が勃発した。
「伊野尾……考え直せ!!あんな最近出てきたばっかで業界のこと微塵も知らなそうな青二才…付き合っても幸せになれないぞ!」
「っ、な……!!やぶぅは何も知らない癖にいつも真っ向から否定して!」
「それだけじゃない!!なんなんだお前のその理由は!!まだ付き合ってもないのに情事のことを考えるなんて……破廉恥な!」
「〜っ!別にいいじゃん!!ほっといてよ……!!!!」
「ほっとけるか!!!俺はお前をそんな厭らしい人間に育てた覚えはない!!」
「まずやぶぅに育てられた覚えがないですぅ!!!」
お互いに1ミリたりとも譲らない2人。
でも、これ……今回は……
「伊野尾ちゃんが……悪いよねぇ……。」
涼介が2人の言い争いをどこか遠目で見つめながらそう呟いた。
……正直僕もそう思う。
理由が理由だし、いのちゃんのことだからそれだけじゃないのは十分に分かっているけれど
……可愛い僕が惚れてしまうくらい可愛いいのちゃんが、
何か悪いことに利用されてしまうかもと考えると、居ても立っても居られないもの。
何故か無性に気分が落ちてしまい、僕の腕を握るいのちゃんの手を優しく外すと
「僕、トイレに行ってくるね。」
と、言い残し居ずらい楽屋を後にした。
絵に描いたみたいなキョトン顔をしていたいのちゃんだけれど、ほんの少しは僕のことも意識してくれてもいいのになぁ……なんて。
……まぁ、水道で顔洗ってこよう。
『例の慧ちゃん。あそこまで簡単に引っかかってくれるとは思わなかったよ。』
トイレに行くまでの道、もう使われていない楽屋の中からその声は聞こえた。
「…………ぇ……?」
それは、さっき耳にしたばかりの声で
あからさまに不穏な会話の内容に、芯の方から冷えていく感覚がした。
『あいつ、ガード固いと思ってたけど意外にチョロかったわ。』
“あいつ” って
『俺が話しかければすぐに惚けた顔で俺のこと見てさ。』
さっきまでいい感じだったじゃん。
『体が男でも、あの並外れた顔面だよ。下さえ隠せばどうとでもなるし……
________まぁ、俺に依存するだけさせて捨ててやろうかな(笑)」
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ひまちぃ(プロフ) - 明日さん» わわ、お返事遅くなってごめんなさい🙏💦コメント頂けて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!!今あるリクエストが終わったら書かせて頂こうと思いますので、今しばらくお待ちください!! (8月6日 12時) (レス) @page26 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
明日(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。『いたいのいたいの、とんでいけ。』が大好きで、いのちゃんに激萌え。JUMPくんも激萌えです。『いたいのいたいの、とんでいけ。』ないのちゃんの再登場を待ってます。せひ、よろしくお願いします。 (2023年2月22日 20時) (レス) id: d0260f9968 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - なるみさん!!リスエストありがとうございます!!喜んで書かせていただきます(*゚▽゚*) (2021年8月6日 8時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
なるみ(プロフ) - 今回もおもしろかったです!伊野尾ちゃんを可愛く書いていただきありがとうございますw あのリクエストなんですけど、メンバーの誰か二人が伊野尾ちゃんを奪い合う(?)お話を作っていただけると嬉しいです!長くてすいませんm(_ _)m (2021年8月5日 23時) (レス) id: b1feebb6da (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - なるみさん!!ありがとうございます!!やっぱりそういったコメントもらえるとすごく嬉しいです!!これからも頑張ります(*'▽'*) (2021年7月27日 18時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまちぃ | 作成日時:2021年3月9日 16時