好きだよ、痛いくらい。【×in】

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山田side


気を失ってしまった伊野尾ちゃんの後処理を終わらせ、布団に寝かせれば
後、俺に残っているのは計り知れないほどの後悔だけだった。


「俺ってば……かっこ悪りぃ……。」


思い返してみれば、別に元の行為で満足してないわけではなかった。
『伊野尾ちゃんに優しく』それが彼と付き合った時からの俺のモットーだ。


あの日から俺が守るって決めた。

伊野尾ちゃんは綺麗で可愛いんだから、いつどんな輩に迫られてもおかしくない。
屈強な男2、3人に襲われたらこんなひ弱な彼が勝てるわけがないんだ。

だからと言って強くなれなんて言わない。


寧ろこの儚さごと、このか弱さごと、俺は守りたい。


愛しい彼を……この手で。


疲れさせてしまったのだろう、まるで死んだように眠る彼の頬を撫でる。


「ごめんね。」


なによりも弱かったのは俺だった。

しばらくそうしているとやがて俺にも眠気が襲ってきて、伊野尾ちゃんから少し離れたベットの脇に滑り込む。


……いつもより少し距離を取ったのは、自分への戒めのつもりで。


ああ、起きたらなんと伝えようか。


『無理させてごめん。』

『すぐにカッとなっちゃった。』

『今のままで十分俺は満足してるから。』

『これからも俺が守るから。』


伝えたい言葉は沢山あって困っちゃうけれど、まずは一番に。






「……ぃのおちゃん……だいすき…………ぁいしてる、から。」






瞼が落ちていくのと同時に溢れた言葉は、真っ白なシーツの中に溶けていった。






「……山田。俺も大好き。」






意識が落ちる前に聞こえた可愛らしい言葉は、明日の朝、彼から直接聞くことにして。






fin．

あまいあまい、ぴんく。【ym×in】※激裏→←5

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